「先輩!なまえ先輩!」


呼び止められて振り向けばなまえよりも大きい後輩が走ってくる。最近キッカーとコンビを組んだ(組まされた)ロードバスター。この後輩はいつだってどこか過去の"若造"を思い出させる、となまえは口許を緩める。


「今日はどうしたの、ロードバスター」

「はいっ!先輩に聞いてほしくって...!」


さっきの戦闘で自分がすごかったこと!
先程チームコンボイの戦闘要員はデストロン襲撃の知らせを受けジャングルシティに急行した。インフェルノと持ち場を同じにするなまえは留守番。もともと戦闘に特化したわけではないから文句はない。どこぞのディスクワークを受け付けないような副司令と違い、なまえの仕事はそのディスクワークとの睨めっこが主だった。


「そうなんだ!今日はロードバスターもキッカーも大活躍だったんだね!」

「き、キッカーまで褒めるなんて...」

「キッカーはロードバスターの相棒でしょ?後輩の相棒は後輩だよ」

「そうでありますか...!」


どうやら先程の戦闘でロードバスターは成果を出したようだ。それが嬉しくて一番最初に先輩であるなまえに報告しにきたのだった。なまえはそれを聞いて自分のように喜び、それを見たロードバスターがまた嬉しくなって笑う。


「今回の結果に甘んじず、精進するようにね」

「もちろんであります!」


すると後ろから声をかけられる。呼ばれたのはなまえの方、呼んだのは同僚のインフェルノだった。じゃあねロードバスター、がんばってね!といい残しインフェルノのもとへかけていく。
仕事へ戻って行く先輩の姿を見送った後、特訓だぁ!と彼女らとは反対の方へ走っていったロードバスターはのちにうるせぇ、とキッカーに蹴りをもらうことになるのだが、それはまた別の話。




貴方がいることで自分は心の均衡を保っていられる




みんな先輩のことが嫌いなのだろうか。あんなに優しい先輩なのに、どうして嫌いになるのだろう。
副司令にもインフェルノ殿にもホットショット殿にも聞いたがみんな「そのうち教えてやる」と言うばかりだ。
だから自分は待っています。それを知ることが、先輩に認めてもらったという証になるような気がするから。

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