ホットショットはある一室を尋ねた。本来その部屋にはインフェルノとなまえがいるはずなのだが、今日は二人とも不在だ。
「...急いでるわけじゃないしな」
またあとで来れば両者、またはどちらかがいるだろう。そう思って部屋をあとにする。持ち場に戻ろうと歩いてたいしてしないうちに、立ち話をしている影に気がついた。それは今探しているインフェルノでもなまえでもない。
その立ち話を通り過ぎようとした。
「あの"嘘つき"め...」
「...いつまでこの惑星に居座るんだ、」
だがそれはなされることがなかった。ホットショットはすぐに足を止める。
我慢ならなかった。信頼する先輩のことを悪く言うなんて、許せなかった。
確かに嘘をつかれていた。でも最終的には仲間のことを思ってくれた。
「お前たち、言いたいことはそれだけか...?」
ホットショットが声をかければ、上官を目の前にした彼等は慌てた。彼等は十分知っている。この上官は"嘘つき"のことを先輩と慕っているいることを。
「なまえは俺たちのことを考えてくれる優しい先輩なんだぞ!」
俺にいろんなこと教えてくれたのだってなまえだ!
ユニクロン戦争のときは俺たちに嘘ついて助けてくれた!
それだけじゃない!それだけじゃない!
「...もう、なまえのこと、嘘つきなんていうなよ...」
さっきまでそこにいた彼等は既に退散したあとだった。またなまえを守りきることができなかった。その思いでスパークが押しつぶされそうになる。
「...あれ?ホットショット、どうしたの?」
その声で我に返った。彼が慕う、先輩の声だった。
「っ、なまえっ!!」
生きる理由を与えて、生きる意味を教えて
抱きつかづにはいられなかった。
笑顔を見せて、押しつぶされそうなスパークを救ってほしい。少しでもあなたを守ろうとした俺を褒めてほしい。
そしてどうか、俺と言う存在が少しでもあなたの救いであってほしい。
ああ、俺はあなたの前じゃ何時まで経ってもあの頃の"若造"のままだ