「パティちゃん、大丈夫?もう濡れてない?」
「うむ、大丈夫なのじゃ!」
「洋服はまだ濡れてるけど、寒くなったらちゃんと言ってね」
「なまえは毎回優しいんじゃな」
「私だけじゃないよ。みんなあれでもパティちゃんのこと心配してるんだよ」
「そうか...」
「...パティちゃん、やっぱり寒い?着替え持ってくる?」
「違うのじゃ!なまえに聞きたいことがあるだけじゃ!」
「...聞きたいこと?」
「なまえは、うちが、アイフリードの孫だと言ったら、どう思う?」
「じゃあパティちゃんは、私のパパが、帝国の騎士団長だったら、どう思う?」
「な、なんと!」
「確かに違うけど、私たち一緒でしょ?」
「...なまえ」
「私はパティちゃんのままでいてくれたらそれで嬉しいよ!」
「うちもなまえがそのままでいてくれたらうれしいのじゃ!」
▽残光
冷たく凍える海の底に一筋の太陽が注ぎ込む