労働者キャンプには先程ユーリたちより先に入ったキュモールとギルドの人と思われる変わった喋り方をする人
追いかけてみると彼らに囲まれながら倒れ込む人が一人。
「サボってないで働け!この下民が!!」
遠くからでも聞こえる甲高い声。キュモールが声をあげて怒りをばらまく。その声を聞いてなまえは眉間に皺を寄せる。見てたらもっと怒りが募るだけ、とまだ若干残っていた理性で顔を背ける。
「...!」
ふと、視線の先に切り出した岩の破片がごろごろ転がっている。みんな倒れ込む男の人を気にして動かない。一人岩の破片に駆け寄りそれを手で持ってみる。そして何を思いついたかなまえの眉間から皺が消えた。どこか楽しそうになまえはその岩の破片を雨を降らす空に高く投げ上げた。そして自らの武器を取り出して、光が出たと思ったら
「飛んでけぇ!」
投げた岩が落ちてくるタイミングで武器を思い切り横に振った。それはまるで野球のボールを打つときのように。なまえの剣に弾かれた岩はものすごい音をたてユーリたちの横を通過し一直線に、キュモールの額を目指していた。
「うがっ!」
そして見事彼の額にクリーンヒット。額に岩の塊を当てられたキュモールは後ろに倒れ雨で濡れた大地に尻もちをつく。
「やったななまえ。デコだから百点満点だ。」
それを見て唖然とする一同だったが、ユーリは戻ってきたなまえとハイタッチを交わし、ジュディスも楽しそうにそれを眺めていた。
⇒世界は私に味方する
「オォウ...ナイスショット、です」
キュモールの隣りに立っていた彼はその見事な倒れっぷりをみて小さく拍手を送っていたことは誰も知らない。