「...。...どうしてこうなったのかな...」
ショップの前、なまえはげんなりしていた。その服装はいつもの服でなく主に"色気"を強調したような
「なまえ、似合ってますよ!」
「本当はもっと肌を見せた方がいいのに...」
「さ、さむいのよくない!」
全体的にぴっちりとして体のラインがよく映える
「いけるな、それ」
「ユーリもそう思いますよね!」
「...で、なんで二人も着替えてるの?」
「ついでだから作ってもらったのよ」
「そうです!」
げんなりしているなまえと違いエステルもジュディスもやる気満々だ。
「私なんかより二人の方がやる気もあって、目も当てられると思うんだけど...」
「却下よ」
「却下です!」
「んじゃ、予定通りなまえな。」
「ひ、否定権をください...」
「その前にエステルもジュディスも着替えて...」
⇒衣装を指定されました、拒否権はありません
雨降りしきる中、ヘリオードの労働者キャンプへ向かう降下機の前には騎士の見張りがいた。彼らはそれを使いたいのだけれど見張りが通してくれない。
「あ、あの、すみません...」
「はい...?」
そこで誰が言い出したか"色仕掛け"を決行することになったのだが、明らかに成功するであろうジュディスがなまえを推した。寧ろ脅した。その脅しに気づかない悪気のないエステルが乗ってくる。
「...あ、あなた...!...こんな街中でそんな格好をして...!」
「え、あ、あの...。...似合ってます、か...?」
「えっ!...よく、お似合いですよ...!」
「それは、よかった、ですっ」
騎士は一歩なまえに近づく。なまえは本能的に一歩後ずさる。
「ど、どうしたんですか...?」
「いえ、あなたこそどうしてお逃げになるのですか...?」
「なんででしょう、ね...?」
騎士は一歩また一歩となまえに近づく。なまえも一歩また一歩と後ずさる。
「...っ!」
耐えきれなくなったなまえが全速力でユーリたちの隠れている物陰に駆け出す。それを追ってきた騎士にある意味恐怖さえ覚えたなまえはエステルに抱きついた。すると後ろで騎士の鎧が落ちる音がした。
「ナイス、ジュディス」
「なまえの危機だもの。黙ってはいられないでしょ?」
その危機を持ってきたのは誰ですか、とは口が裂けてもいえないと思う。