ダングレストに着いた一行だがもう一つのほうの用事、ケーブ・モック大森林も忘れてはいない。周りは気と草だらけ。不純なものなど何一つ見当たらない。そんな景色に感激するエステル。その間にもこの依頼を受けたリタは分析する。


「カロルの言ってたとおりね。ヘリオードで魔導器が暴走したときの感じになんとなく似てる」


雨で憂鬱モードのなまえはその中でもユーリたちとは別の人がこの辺りにいるのを感じ取った。カロルも気づいたのか武器を構える。


「気をつけて...誰かいるよ」


警戒をして少し背の高い草の陰を見やるとそこには見たことのあるおじさんが立っていた


「よっ偶然!」


そう言ってあたかも偶然を装って出てきたうさんくさいおじさん。カプワ・ノームで随分とお世話になった彼その人だった。


「あ、レイヴンさん...お久しぶりです」

「久しぶりねなまえちゃん!」

「...こんなところで何してるんだよ?」


みんながみんなカプワ・ノールでの、ラゴウの屋敷での仕打ちを忘れているわけではない。寧ろほとんどが根に持っている。レイヴンへの対応がどことなく冷たいようだ。でもおじさんはめげない。


「自然観察と森林浴って感じだな」

「うさんくさい」

「あれ?歓迎されてない?」

「本気で歓迎されるなんて思ってたんじゃないでしょうね」

「そんなこと言うなよ。俺、役に立つぜ」

「役に立つって、まさか、一緒に来たい、とか?」

「そうよ、一人じゃ寂しいしさ。何?ダメ?」




⇒call it anything(何とでも呼べ)




「ってことでなまえちゃん、よろしくね」

「あ、はい、よろしくです...」

「何?なまえちゃんまで俺のことうさんくさいとか言いだしちゃうの?」

「そうじゃなくて、レイヴンさんって嘘が下手だな、って」

「っ!」

「こんな雨の日に森林浴なんてダメですよ。森林浴はもっと太陽さんが元気な日にしなくちゃ...」

「あ、ああ、そうね。おっさん失態失態...」


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