「寝れないのか?」
「ううん、寝ないんだよ」
「明日結構歩くぞ」
「いいんだよ。そういうの慣れてるから」
「...なにが見えるんだ?」
「星だよ。見るの好きなの」
「詳しいのか?」
「全然」
「...。」
「ほら、あの一番光ってる子、」
「子って...」
「私、あの子の名前知らないけど、あの子からしてみたらそんなのは関係ないでしょ?」
「確かにな。星の名前なんて誰かが勝手に決めたようなもんだしな」
「でしょ?」
「だな。」
「それにここだと花弁と一緒で綺麗だからもっと好き」
「なまえって...」
「私って?」
「そういうの興味ないもんだと思ってたけど、違うんだな」
「...ユーリは私を何だと思って」
▽ハルル宿屋にて
夜空に瞬くあの星の話