飛び交う銃声。機体。
攻撃を避けまた撃つ。それを繰り返す。
どれだけ繰り返しても敵の勢いが弱まることはない。
でもここで諦めてしまえば自分の後ろにある故郷が危険に晒される。
それだけは避けなくてはいけない。その思いが自分を奮い立たせる。

先輩が愛した"あの星"を守らなければいけない。


「ロードバスター!!」


連携のために開いていた回線から副司令の声が聞こえたのはその時だった。
発信源を辿り副司令が来るであろう方角を見れば星の一つがこちらに近づいてきていた。物凄い速さで。間違いなく副司令だ。
そのスピードは落ちないまま真っ直ぐ自分に向かってくる。
何か重大な任務を背負い、自分に任せに来たかのように。

一瞬、バチッと、ノイズが走った。

この時理解した。
この回線はサイバトロン全てと繋がっていて、その中に先輩もいること。
先輩はまだ完全に星帝になっていないこと。
先輩は副司令のことが忘れられないこと。

先輩は独りで、助けを求めていること。

猛スピードで突っ込んでくる副司令が自分の頭上を通過しようとした。
その一瞬、副司令は変形して自分を見た。
バイザーの奥のカメラアイと目が合った気がした。
そして力強く自分に言った。


「任せたぞ!!」


力強く頷いてみせた。

副司令はまたジェット機になって宇宙を突っ切っていく。
目指す先は星帝、否、先輩のところだとすぐにわかった。




盲目な程に、一途に




そして自分は副司令に背を向けるのだ

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