腹を空かせたユニクロンの暴走をおさめると、アルファQはその身を閉ざしてしまった。

だがガルバトロンはそれを待ってはくれなかった。
ガルバトロンが有するユニクロンの胴体がセイバートロン星を急襲してきたのだ。
セイバートロン星にはエネルゴングリットのバリアがあるけれど、あんなに大きなものをいつまで抑えていられるかわからない。

それにこのままアルファQが塞ぎこんでしまったままでは救えるものも救えない。
だからアルファQを助けなければならない。意を決して足を踏み出した。

恐くないわけない、寂しくないわけない、帰りたくないわけない、

でも進めなければならない。
アルファQを助けるために。セイバートロン星を助けるために。この宇宙を助けるために。


「安心して。あなたを無理に引きずり出そうとは思ってないわ。」


塞ぎこんでしまったアルファQにやさしく声をかける。
答えはない。だから私の、私たちの思いを伝えなくてはならない。


「私は、あなたを守りたいと思ってるの。」


一人ぼっちで寂しい思いをずっとしてきたあなたを守りたい。
私も一人ぼっちだったから。なまえだって一人ぼっちだったから。

誰も利用しようなんて考えてない。ただ守りたいだけなのだ。
アルファQを、愛するものを、この宇宙を、


「だから、信じて...。あなたを信じている、私たちを信じて...。」


彼女もきっと同じ気持ちだと思うから。そんな彼女を裏切らないであげてほしい。
あなたが信じてくれれば、彼女が救われるから。

だから一緒に戦いましょう。
自分を信じてくれるもののために、取り戻したい故郷のために、先に進めない彼女のために、


「...ガルバトロンを倒す...!」


塞ぎこんでいたアルファQがやっと顔を見せてくれた。
発した言葉には強い意志を感じた。
そのことに嬉しくなって、私は笑みを見せた。




瞼の裏に残るのは笑顔だけ

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