無機質な壁に触れた途端、視界が真っ暗になった。
似たのを知ってる。
アルファQに見せられたあれと一緒なんだ、多分。
でもいつまでたっても、何かが始まる気配はない。
たださっきから耳触りな雑音があるだけ。
これが今のなまえなのか。
こんな何もないところにあいつは望んでつっこんで行ったのか。
聞いても答えはこない。
雑音にかき消されるだけ。
「こわがらないでわたしひとりがいなくなるだけだから」
一方的に聞こえたあいつの声。
それが最後。
追い出されるように現実の世界に戻ってきた。
なんでそんなこと言うんだよ。
確かにそうかもしれないけど、違うだろ。
お前一人いなくなってどうかしちまうのがいるの、お前自身わかってないんだ。
なあ、なまえ、本当はわかってるんだろ、
きみが泣く
こんなことしたって俺たちの望んでた結末はやってこないとこ。