「なまえ、これおいしいわよ!」

「うん、もらったよ。アーチャーさん本当に料理うまいよね」

「何を言うか。君だって相当ではないか」

「な、なにを言って、アーチャーさん...!」

「本当よね!どの口が言うのかしら」


凛ちゃんは私に料理を取り分けてくれた。すっごくおいしくてアーチャーさんに作り方教えてもらおうかと思ったら褒められてた。そんなことないのに、恥ずかしくなって顔が赤くなるのが自分でもわかった。


「なまえ!シロウのも食べてください!」

「っておいセイバー!お前さっきまでなまえの作ったの食べてたのにまだ食べるのか?!」

「もちろんです!」

「ああほらなまえもセイバーに取られないうちに食べろよな!」

「じゃあ今のうちにたくさんとっておこう」


さっき私が作ったのもたくさん食べてたのに士郎くんのもたくさん食べてて、本当にすごいと思う。あ、士郎くんはもう名前で呼んでくれって言っていた。俺ばっかり名前で呼んでて悪いから、だそうだ。だって言峰が二人いるんだもん。って言ったらいいから!って押し切られた。


「なまえ」

「綺礼?どうしたの?」

「これをやろう」

「...開けても大丈夫?」

「今お前にやったのだ。好きにするといい。」


綺礼から小さい箱をもらった。なんだか嫌な予感が過ったが、開けてみればそれが裏切られた。入っていたのはネックレス、小さい十字架のついた。綺礼とおそろいだと思ったら嬉しくなってありがとうって言って抱きついた。


「この我がやるのだ。ありがたく思え。」

「...でもこれ、綺礼の部屋にあったやつだよね?しかも私未成年」

「別によかろうではないか。ばれなければいい話だ。」

「綺礼!綺礼!ギルガメッシュがまたワイン持ちだしてるよ!」

「き、貴様...!恩を仇で返すかっ!!」


手渡されたのは見たことのあるボトル。確か綺礼の部屋に会ったワインのボトル。でも私は飲めないし、捨てるわけにはいかないから本人に渡そうとしたらギルガメッシュは全力で阻止してきた。サーヴァントに生身の人間が勝てるわけないのに!あ、綺礼ならできるかも。


「ほらなまえもっと食えよ」

「もういっぱいもらったよ...!」

「じゃあこれはいらねぇな」

「ケーキ!いる!」

「...。...なあなまえ」

「どうしたの?」

「これからも笑っててくれよ。俺らのためにさ。俺らさ、お前が笑ってくれるだけで"幸せ"だからさ」

「...じゃあランサーは、」

「おれは?」

「ずっと一緒にいてね!令呪なくなっても消えちゃだめだよ!」


だって私が望んだ"世界"なのだから、それぐらい言ってもいいよね。かわりに、今度は我慢するんじゃなくて、


さいごまでここにいるから!

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