「先輩!」


聞こえてはずなのに。


「先輩っ!!」


先輩はいつもみたいに笑って振り向いてくれない。
当たり前だ
これは気を失った俺のスパークに写しだされた世界。ユニクロンから流れてくる情報の一部。

目の前に写る情報の上の先輩は想像もできないほど冷たい目をしていた。


 (...そうか。お前は、やはり...)

 (忘れたなんて言わせない、ダブルフェイス。私の名前は、)


その目線の先には知らないトランスフォーマー。先輩がそのトランスフォーマーの名前を呼んだようだったが、ノイズが邪魔をする。
その手には今も先輩が手にしている大きなライフル。片手で持ち、銃口は目の前、俺の知らないトランスフォーマーに向けられている。向けられてる方は"当たり前だ"という表情をしていた。


 (私は、二つの嘘、ダブルフェイク。)


それを聞いて、みんなが先輩を遠のける理由がようやく理解できた。


「先輩...あなたは、」


"嘘つき"だったんですね。

でも、でも、俺の知ってる先輩は優しくて、どんなときでも俺の味方で、成果を出せば褒めてくれて、

それも全部"嘘"だったんですか。


違う!そんなわけない!!

だって俺の知ってる先輩は、あんな冷たい目を向けてこなかった。


「やっぱり、すっごい先輩だっんですね」


そう口にすると冷たい目をした先輩の映像に砂嵐がかかる。すぐにそれが視界をすべて覆い尽くす。
砂嵐が晴れてくる。そこにいた先輩は、俺の大好きな笑顔の先輩だった。




俯いた視線は、組んだ自分の指をじっと見つめていて




「スカイファイヤー!聞いてよスカイファイヤー!」

「おーおー、どうしたどうした」

「新しく士官学校に入った子がねっ、私のこと"先輩"って...!」


目を輝かせ、副司令に飛びつかんばかりの勢いだった。

すぐにわかった。
それは自分のことだ。
"先輩"を"先輩"って呼ぶのは自分だけだから。




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なまえが星帝制圧→キッカーがアルファQにたどり着く前→ロードバスターに星帝の情報が流れ込んでくる→先輩が"嘘つき"だけど知ったけどやっぱり先輩は先輩だ!

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