目を覚ました。一番はじめに目にはいるのは見慣れた天井。ここは私の部屋だ。布団から抜けだし、体を起こして見回して見るが特に変わった様子はない。

さて、早く起きなければ兄に台所を占領されてしまう。あの地獄の釜のような麻婆豆腐は視覚的にも遠慮したい。そう考えながら私は学校の制服に手を伸ばした、


「どういうことだ、なまえ!!」


のだが、突如現れた人物によってそれは中断された。

開け放たれた扉の向こうから嗅ぎ慣れた不穏な匂い。それを感じとった瞬間、すべてを悟った。


「今日の綺礼は早起きだったってことだよ」

「き、貴様はあれが耐えられるとでもいうのか...!」


耐えられるわけないじゃないか。
だいたいあれは綺礼が私たちをだしにして自分だけ楽しみたいから作ってるもの。


「じゃあギルガメッシュが綺礼を台所に入れないように頑張ってよ」

「我の手を使おうというのか...!なまえの分際で!」

「じゃあ明日から朝は綺礼に頑張ってもらうしかないね」


私個人としてもそれは全力で避けたいところ。でもこうでもしないと彼は動いてくれない。長年の付き合いなのだ、私だって学習はする。
すると今度は別の被害者が顔をのぞかせた。


「おいおい、クソ神父が早起きするなんて聞いてねぇぞ...」


きっと彼はこの不穏な匂いにやられて目を覚ましたのだろう。さっきより強烈になってる気がする。アレの完成の時はもうすぐだ。それを悟った私たちは無言で見つめあった。そして頷いた。


「...俺となまえが突っ込むから金ぴかは後方支援な」

「この我の手を煩わせる気か、と言いたいところだが仕方ない。あれを阻止するためだ。」


起きたばかりであろう彼は手に真っ赤な槍を構え、私の部屋に突撃してきた彼は貯蔵庫の蓋を開けてスタンバイオーケー。
私は今まで寝ていたベットの下に手を入れて今まで(諸事情で)溜め込んでいた"宝石"を取り出した。床にばらまいた"宝石"をかき集めれば両手いっぱいになった。
私は立ち上がる。そして三人同時に駆け出した。

目指すは神父によって支配された台所。

私たちの生死をかけた戦いがはじまろうとしていた。

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