私の良き理解者-サーヴァント-がその胸に真っ赤な槍を突き刺した


私を見下す王様-英雄王-が騎士の剣に膝を屈した


私の兄-言峰綺礼-が私の目の前に倒れている


倒れる彼には無数の黒鍵が刺さっている。刺たのは私。
そうしなくちゃ、大事な友達-衛宮士郎-がまた傷つく。
そうしなくちゃ、あの惨劇がまた繰り返される。


止めなくちゃ


そう考えたら体が勝手に動いていた。気付いたときには、ぜんぶ終わっていた。

私の良き理解者-サーヴァント-も
私を見下す王様-英雄王-も
私の兄-言峰綺礼-も

みんな私の前から消えていた。


いつも大事なものはなくなってしまう
何かを成し遂げても、残るのは私だけ
悪だと罵られても、みんなみんな私の大事なものなのに


もう、
もういいじゃないか


私の良き理解者-サーヴァント-とやりたいことはまだたくさんある
私を見下す王様-英雄王-は私の作ったご飯をまずいと言いながら残さず食べてくれた
私の兄-言峰綺礼-とは、もっと一緒にいたかったし話したいこともたくさんある


重くなった足に力をいれる。見上げれば怪しく輝く願望器-聖杯-
あれは泥-この世のすべての悪-に犯されていると言っていた。
正義でも悪でもいい。私はそれに手を伸ばした、


今、私が欲しいのは




「みんなが幸せになれますように」





変わりに、私が我慢するから

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