ブリッジの扉が開いた。入ってきたのはえらく慌ててるなまえ。何事かとみんな彼女を見るが、本人は「な、なんでもないよ...」と顔を俯ける。...なんでもないわけねぇじゃねえか。
それを察したのか司令官が「...なまえ、ユニクロンまでもう少し時間がある。今から気を詰めることはない」と言った。さすが司令官!これは都合のいい言い訳だとつかさずなまえの手を引いた。
「そうだぞなまえ!ほら、肩の力抜けって!というわけで俺となまえは抜けるぜ!」
なまえが入ってきたばかりの扉に背を向けてブリッジを後にした。
そうしたらどうだ。いつもみたいに威勢のいい声が聞こえない。振り返って様子をみれば顔は俯けたまま。よくこんなのでなんでもないなんて言えたものだ。...わかってる。それがこいつの嘘の部分だって。
しばらくなまえの手を引いて歩けば大きな窓が見えた。俺たちよりも大きい窓は今ずっと続く宇宙の闇を写す。
その前で止まって手を離す。そして振り返って俯くなまえの顔を覗き込む。
「今度はなに隠してるんだ?俺にも言えないことか?」
いつも通りに聞いてやる。するとなまえはゆっくり首を横に振る。じゃあ話せるだろ、とその口から言葉が出るのを待つ。
しばらくすると口が小さく動き出す。ゆっくり、ゆっくり、でも少し震えてる。
「...っ。...またね、"嘘つき"って、言われたの」
「あぁ」
「今度はね、星帝を復活させたいから、力を貸してほしい...って」
「...あぁ」
「わたしの帰るところ...みんなのところなのに、星帝のところに帰れ、って...!」
「...。...あぁ」
「...いやだよっ、あんな思いするの、もう、いやなの...!」
「わかってる。だからなまえはついてかないでここにいるんだろ?」
「...うん...うんっ」
「大丈夫だって。それがなまえのしたいことだろ?嘘ついてないじゃんか」
「...。...スカイファイヤー」
「ん?どうした?」
決して独りにはしない
「...ごめんなさい、」
「...馬鹿野郎、こういう時は"ありがとう"だろ」
「...ん、ありがとう...」
「どういたしまして」
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18話前回の続きっぽく。