ミランダU世号は確実にユニクロンに近づいていた。その確証は持てないが、星帝と深く関わっているシュウメイにはわかった。
スパークがざわついている。きっといるべき場所に帰ることが怖いのだ、とインフェルノに伝えてみた。
「大丈夫だ。もうシュウメイは一人で嘘つく必要ないんだからな。」
そう答えられた。一番欲しかった答えなのかも知れない、とシュウメイは安心からくる排気を漏らす。
正面のモニターには宇宙に揺らめく真っ赤な旗が映っていた。
グランドコンボイが乗船を許可したのは戦友。乗船した彼を総員で迎え入れた。
だが時間がないとグランドコンボイは戦友、ロディマスコンボイを別室へ迎え入れた。その後ろからはスカイファイヤーとレッドアラートが続いた。
シュウメイ自身、ロディマスコンボイを知らないわけではないが実際見たのは今回が初めてだった。司令官を名乗るだけあるトランスフォーマー、それがシュウメイの印象だった。
グランドコンボイの待つだけのなまえはブリッジに戻ることをせず艦内を彷徨う。すると正面から噂のロディマスコンボイがやってくるではないか。
(あれ、もう終わったのかな...)
グランドコンボイとの話はもう終わったのだろうか。ロディマスコンボイとレッドアラートの向かう先は自分たちが乗ってきた船がある。どんな話をしていたのかはわからないがこの行動からでわかる、きっと彼等は相容れなかったのだろう。
するとロディマスコンボイは歩みを止めた。なまえの目の前だった。何事かとなまえは自分よりも大きいロディマスコンボイを見上げる。先に口を開いたのはロディマスコンボイのほうだった。
「君が"ダブルフェイク"か?」
隣に立っていたレッドアラートはえっ?とロディマスコンボイとなまえを交互に目をやる。なまえはそれに答えない。
確かにここでは"嘘つき"ではないけれど、一般的な認識では"嘘つき"なのだ。否定も肯定もできない。
ああこの人も私を疑ってかかるのか、とセイバートロンで幾度と体験したスパークのざわつきを感じた。
「君の力が必要なんだ。あの頑固者は分かってはくれなかったが」
きっと頑固者とはグランドコンボイのことを言っているのだろう。我らが司令官に軽口をたたけるこの人はまさしく司令官なのだと改めて思い知らされる。
「正直に言ったらどうですか、ロディマスコンボイ。」
なまえは星帝から生み出された。その力を必要とする人は限られてくる。
なまえとして力を求めてくれるのか、"嘘つき"として力を求めてくれるのか、二つに一つだ。
この司令官はなまえのことを"ダブルフェイク"と呼んだ。この時点で答えは一つ。
「星帝を復活させたいんですよね?司令官にもそれを伝えにきた。」
「わかるなら話が早い。」
「答えはNOです、ロディマスコンボイ。」
「...それは何故、」
「簡単ですよ」
強さ故に、孤独
「私はなまえです。確かに"ダブルフェイク"でもありましたが、今の私はなまえです。」
なまえに迷いはなかった。ロディマスコンボイはここにも頑固者が、となまえの真横を通り抜け船へと戻って行く。
外のにロディマスコンボイの船が見えた。それを確認したなまえは形振り構わず駆け出した。
たすけてほしい、このくるしみから、
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18話ロディマス初対面。長くなっちゃったけどもうちょっと続くよ