「...やはり彼女はいないか」

「何言ってんだよ!」


キッカーが剣を構えて見据えるのはロディマスコンボイ。奴は自分に「共に来い」と言った。わけもわからないままついていくわけがないとそれを拒絶した。


「ユニクロンの再生には彼女が不可欠なのだよ」

「彼女って誰だよ!俺はそいつのことしらねぇぞ!」

「知らないはずはない。彼女は今地球にいるのだから」

「だからっ!!」


すると今度は別の人物を指した。彼はその人物のことを"彼女"と称した。だがキッカーはそれが何を指すのかわからなかった。わかったのは女性であるってことだけで、今自分の近くにいる女性はミーシャに、シュウメイに、


「...おい、待てよ、ユニクロンの再生に必要って...」

「やはり知っているじゃないか。」

「答えろよ!必要って、なんで必要なんだよ!」


ユニクロンは惑星だ。機械の惑星。そんな大きいものを"彼女"一人で再生できるわけがない。でもロディマスコンボイはそれが可能だといっているように聞こえる。だったら限られてくる。必要なのは人間じゃなくて、トランスフォーマーで、


「知らないのなら教えてあげよう。彼女はトランスフォーマーであってそうではない。」

「...。」

「彼女は、十年前のユニクロン戦争のためにユニクロンによって生み出されたトランスフォーマーなのだ」




冷戦と熱戦、どっちがましか




「何、いってんだよ...」

「事実だ。今やユニクロンの最深部にアクセス出来るのは彼女だけなのだ。」

「それがはっきりしたら尚更渡すわけねぇだろ!」

「...それもそうか、」


無理強いはしない、と言った言葉通りこの時は潔く引いてくれた。ロードバスターもホットショットも怪我をした。
そして俺はどうしようもない気持ちを抱えながら地球に帰っていく。




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SLロディ回15話。ユニクロン復活を望んでた頃の話。
二つの顔君がいないから"嘘つき"ちゃんに頼るしかなかったわけです。

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