重いんですよ


外の騒がしさに目を覚まし、甲板に出たなまえの目に飛び込んできたのは、まさに戦闘真っ只中のアラジン達の姿

何かこう言うこと多くないか私

なまえはすぐさま襲われている人達の周りに防壁魔法を貼り、敵を船の外へと投げ飛ばしていく


「なまえさん!」

「せっかく気持ちよく寝てたのに台無しだわ、しかも何この海賊子供?」


1人の子供がアラジンに何歳だと質問するが答えを聞かずにアラジン、アリババ、モルジアナ、白龍の4人をシャボン玉のようなもので包むと、海の上に移動させそれを割って海へと落としたのだった

しかし次の瞬間海の中からたくさんの枝が伸び、その枝によってアラジン達はまた船の上へと引き上げられた。その枝は白龍の金属器、ザガンの力だったようで、白龍は次々と敵を倒していく。


「そこまでだ!!」


声のした方を向けば、首元に剣を突き付けられている船長さん達の姿。なまえ達は仕方なく攻撃をやめ、海賊達が荷物を奪って去って行くのを大人しく見ていたのだった


「大丈夫ですか?」

「ありがとう…君のおかげでだいぶ楽になった…」


海賊達が去った今現在、船の中にある大部屋に怪我人を寝せ、なまえは治癒魔法で怪我を治してあげていた

その時、1人の船員が船長!と慌てて部屋に駆け込んできた。何やらすごく大きい船が来たようで、船長さん達は慌てて外に駆け出していく


「で…でけぇ…これは…!?」

「大丈夫、敵ではないよ。彼らは、アクティア王国の海軍じゃ」


そしてアクティア王国の海軍の船と共にアクティア王国の港へと到着したなまえ達、そこで見たのは、家は燃え、崩れ、人々が嘆き悲しんでいる壊滅的な町の姿だった

兵士の話によれば、先程なまえ達を襲った海賊、大聖母の仕業だと言う。本来アクティアの港は強力な海軍に守られているはずなんだそうだが、近年はマグのシュタットへの防衛戦線の為に北の国境へ兵を送っている為、海は手薄にならざる得ないということらしい

その時、向こうの方からザワザワと町の人々がやってきて、子供を助けて!と悲痛の叫びを上げる。大聖母は何故か毎回貧民街の子供達ばかりを攫っていくらしい

何だ大聖母は幼児趣味か?ロリコンか?ショタコンか?ちなみに私はどちらも好きだ。可愛いは正義


「子供達を助けられない!?どう言うことですか!?」


アリババくんの質問に兵士の人は、海賊船は海を潜行するらしく追撃は不可能とのこと、アリババくんがアラジンに魚に魔法は?と聞くがそんなものある訳がない。


「アラジン殿の手を煩わせずとも…すでに手は打ってありますよ」


えっ?と4人の声が重なると同時に白龍は、槍を地面につけザカンの力を込める。すると地面から草の根っのようなものが生えてきて、白龍の頬に擦り寄る

どうやら白龍は荷物を奪われる際に種子を蒔いて奴らのアジトまでの道しるべを確保していたようだ。ザガンの力と白龍の魔力操作能力の合わせ技とのこと

根っこと戯れる白龍ぐうかわ


「さて海軍さん、海賊退治といきましょうや」

「うむ…」

「しかし、なぁ…」


せっかく白龍によって、海賊の居場所がわかったというのに、兵士の人達は敵の能力が未知数で、王から授かった軍艦をうかつに送ることはできないなどと言い出した。町の人々が本音を言えよと叫び海軍と言い争っている


「なぁ、みんな…おまえらの旅は急ぐ旅か?」

「いいえ…」

「…僕も」

「私も!」

「言いたいことはわかってますよ」

「うん……」


みんなが急いでたとしても私は1人で行く気だったけどね


「あの…皆さん…俺たちが子供たちを助けにいきます」

「!?あ…あんたらが!?」

「大丈夫、俺たちさっきも海賊船を撃退したばっかりです!」

「アリババくんならそう言うと思ったよ」

「そこがアリババくんのいいとこだしね」

「あ…あのぅ…」

「ありがとうございます…しかし、国にも見放された我々ですら…助けて頂こうにも…お礼のお金もなく…」


悔しそうに顔を歪める町の人々にアリババくんは肩に手を置きそんなのいらねーよ!と告げる。その言葉に町の人々の表情が明るくなった


「むしろあげちゃう!」

「…え?」


ドサッと男の人の手の上に金貨を乗せたなまえに周りの人々の目は点になる。


「い…いただけません!助けてもらう上にこのような大金…」

「でも私それ持ってると重いんです」

「そんな理由!?」


いやこれまじで。まるでポケットがあげろと言うように金貨が湧き出てきている。


「そのお金で早くお家を建て直して、帰ってくる子供のために美味しいご飯でも作ってあげて下さい」

「ッありがとうございます!!」


いやーいいことするって気持ちがいい!
自己満足でも人の為になってるんだからいいよね!


「よーし、迷宮ザガン攻略メンバーで、最後にひと暴れしてやろうぜ!!」

「おーっ!!」







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