私にさせて下さい


「なまえー着いたぞー」

「んう…シャルルカンさん…抱っこ」

「ッ子供かお前は!(くそっ可愛い…疲れてる時のなまえって甘えん坊になるんだよな)」

「俺がします」

「っておい!マスルール!なまえは俺が連れてく!」


スタスタとなまえを抱え船を降りるマスルールの後を追うシャルルカン。船の外には島の人々やシンさんがお出迎えしてくれた


「なまえ!お疲れ様」

「シンさん…ただいま」


寝ぼけた顔でふにゃりと笑うなまえにシン、マスルール、シャルルカンの3人は胸を打たれ大ダメージを受けていた


「俺のなまえがこんなに可愛いッ!!」

「ちょっと!なまえは王様のじゃないでしょ!」

「細かいことは気にするなシャルルカン!さぁ!!宴の準備だ!!英雄たちに祝杯を!!」



























翌日

疲れ果てて眠っていたなまえは宴には参加しておらず、朝起きて昨夜の出来事をジャーファルから知らされた。話を聞いた瞬間に部屋を飛び出し白龍の元へ

ジャーファルさんから聞いたのは、迷宮の中で倒した筈のイスナーンが現れ、街の人々に危害を加え、王様とアリババくんに呪い…というか魔法をかけたとのこと。でも2人の魔法は解けたらしいので大事ないらしい

それよりなまえが衝撃を受けたのは白龍の片腕がなくなったことだ


「白龍皇子ー!!」

「ッ!なまえ殿!?」


ガバッと勢いよく白龍に飛びつくなまえ、白龍はとっさのことに反応できず、2人で芝生へと倒れ込んだ


「あああごめんよ白龍皇子!腕大丈夫!?」

「不便な所もありますが、大丈夫です!そ、それよりなまえ殿、退いていただけませんか?」


白龍の上に馬乗りになっていることに気づき、なまえはごめんねと白龍の上から退いて隣に座る


「話聞いて部屋から飛び出して来ちゃったよ、不便な所があるなら私が手伝うから!もちろん着替えも湯浴みも任せて」


下心?ありませんよ?ええ


「い、いえ!大丈夫です!」

「魔法で腕が生えたらいいのに…」

「なまえ殿はどうかお気になさらず!俺なら本当に大丈夫ですので!」

「いい子ッ!白龍皇子がいい子過ぎてなまえさん辛いわ!」

「あの…一つお願いがあるんですが」

「ん?何々?何でも言って?」

「俺のことは白龍と呼んでください」

「え?いいの??」

「はい、なまえ殿には皇子扱いされたくないんです」


あんまりしてなかった気もするけど、白龍がそう望むのならお安い御用だね!


「白龍!」

「はい!」


嬉しそうにはにかんで笑う白龍


「白龍、嫁においでよ」

「はい!?前にも言いましたけど俺は男です!」

「料理もできて可愛い嫁とか最高じゃないか」

「あの?聞いてます?」


白龍に抱きついて頬ずりをしているなまえ、白龍は顔を赤くしながらも呆れ気味だ


「なまえ!」

「あ、ジャーファルさん」

「そんな格好で部屋を飛び出して、何してるんですか!」


あ、そう言えば起きてすぐに話聞いて飛び出してきたから着替えるの忘れてた


「まったくあなたは…いい加減にしてくださいよ?」


そう言いながらも私の上着を持ってきてくれていたのか、肩にかけてくれる優しいジャーファルさん


「ジャーファルさんはやっぱりお母さんですね」

「はいはい、もう何でもいいですから部屋に戻りますよ」

「ちょ、引きずらないで下さい!扱い雑だな!白龍またねー!」


なまえは白龍に手を振り、ジャーファルさんに引きずられながら部屋へと連れ戻されたのだった









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