「つーきーちゃん」

「なあに?」

私の呼び掛けに溢れんばかりの笑みでいっぱいにして返事を返してくれる月ちゃん。
なんなのこの子可愛すぎ……!

「お前なあ…月子のこと見つめてねーで勉強しろよな」

となりから、不良らしからぬ言葉が聞こえたけど気にしない。
やーいかっこつけのくせに。

なんかモヤッとしたので足を踏んでやった。

「いてっ。な、なにすんだよ月和」

「おっと、手が滑ってワックスが哉太の頭に…」

「すいません」

即座に謝る不良。
弱いな…。
髪を固めすぎだと思うのだけど、大人の事情なんだって。
前に羊が言ってた。
でも、前髪ピカピカしてるよ?光沢だよ?!

「聞こえてるから、地味に傷つくぜ…?」

うるさいコーンポタージュにはパンをつける派の不良が!

「具体的!例えが具体的でこえーよ!!」

ボイスレコーダーとか入ってないよな、とカバンをごそごそしはじめた哉太はそっとしておこう。

……自意識過剰って言うんだよ。
ダメだよ、あんな大人になっちゃ……?

「で、月和なんだって」

錫也に言われて思い出す。
もう哉太が変な話するから…。

「えっと…ここってどうすれば?」

哉太はともかく、素晴らしいことにみんな優秀なのだ。
質問にしっかりと答えてくれる。「これは………」

錫也が解説してくれて無事解決。
月ちゃんは英語をよく聞きにいきます。

「今日のお菓子はブリオッシュかなー」

勉強に飽きてきた頃に甘いものが食べたくなるのは人間の心理。

「僕はスコーンがいい!」

真っ先に食いついてきた羊と勉強そっちのけでお菓子のことについて大討論が始まった。
それに月ちゃんもくわわって盛り上がる、盛り上がる。

錫也のつくるお菓子は本当に美味しいからみんな
大好き。

ぐうぅ

とびかう視線。

……………………。

犯人は私ですっ。

「えへへ。だって、お腹すいてきちゃって」

胃袋が訴えてきたんだよ!
しようがないことだが…少し恥ずかしい。

「はあ、わかったよ。なにが食べたい?」

錫也が根負けして、今日の勉強会は終わり。

そしてミニお菓子パーティーの始まりです!
ワクワク、なにかなー?
ま、なんでも美味しいから別にいんだけどね。
料理、教えてもらおっかな…私も見習いたいです。

数十分後。

今日は月ちゃん作のチョコマフィンでした、おわり。

「おわり。じゃねーよっっ!」

「あ、えーと。俺はいたって普通にマフィンの作り方を教えたからな…」

「誰が食うんだよ…」

「そりゃもちろん、」

「え、ちょっと、月和、なに食わせる気だっ」

「きっと大丈夫death!」

「う、うぎゃあああああっ?!」

「哉太、大丈夫か?!って俺も食わされ…うぉろおうろうおろ……っ」

……………………。

「お茶が美味しい…」

「ふふ、そうだね…」

兵器の実験台になったのはは哉太。
と巻き込まれた錫也。
あなたちの死は無駄にしないわ…!

「ねえ、私の料理ってそんなに美味しくないの?やっぱりそうなんだ!」

そんなことはない、と言ってみせようではないか!




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