キミが好きなんだと伝えたら、うん、ありがとうと言われた。キミは弱いねと蔑んだら、うるさいと頭を軽く叩かれた。キミに野に咲く白くて小さな花を摘んで手渡したら、あんたなあ、と微笑まれた。
無限の空間にふたつの存在が真っ黒な糸と真っ白な糸に繋がれてぐちゃぐちゃに絡まった。解こうにも、切断しようにも、すればするほど複雑に絡み合うそれは多分いちばん弱くて脆い糸だった。

「ボクらは何故であってしまったんだろうねえ」
「さあ、あんたに出会うべくしてあったんじゃないの」
「出会うべくして出会うということは、別れるべくして別れることと等しいよね。出会ったら別れなくちゃいけないんだ。分解されるのなら、今がいいなあ」
「俺はいつでもいいけど」
「相変わらずだね」
「まあね。、にしても・・・別れるべくしてっていうのはなんなんだよ」
「一度生まれたら死ぬように、出会ったら別れなくちゃならないんだ。悲しいことに空間は無限だけど、世界はひとつだ」

摘んだ花で冠を作った。そんな花もいつしか枯れていた。枯れるべくして咲く花は、死ぬべくして生きる僕のように世界を彩る。僕は何色なのだろう。

「世界がひとつなら、もう一度出会えばいい」
「別れはくるんだ」
「別れが来たのなら、迎えに行けばいい。手を取ってやればいい」
「ええ?」
「あの花もまた咲く。巡り巡ってまたあんたが摘んでくる」
「へ?」
「さて問題です。俺は今、なにを伝えているでしょうか」

絡まった糸が、方結びを作った。世界が切った糸を摘み直して、キミのために冠を編もう。

「答えは分からないけど、これだけは言えるね。キミって案外ロマンチストなんだ」








クイズ

(あんたにあえて良かった、なんてね)
(やっぱりロマンチストだ)


101028
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