D-gray.man 雨が降る。 季節外れの大雨だ。 そのためななこの気持ちも淀んでいた。 「はーあ」 窓に手をつき曇天を見る。 曇天、と管理人に表現されるほど雲は真っ黒で空を覆っている。 AKUMAを思わせるような黒。 そんな黒が大嫌いだった。 「ななこ?」 不意に自分が呼ばれた。 「…アレン? ノックぐらいしてよ」 「しましたよ。返事をしてくれないから心配で…」 「…もう、アレンったらっ///」 傍から見ればバカップルである。 「どうしたんですか?そんな暗い顔して」 「んー… 早く晴れないかなって」 「どうしてですか?」 「…内緒」 「えー教えて下さいよー」 「アレンにだけは絶対教えないっ///」 ななこは真っ赤になりながらも答える。 「僕にだけ?」 「うん、絶対」 「教えて下さいってば、ななこー」 アレンが縋るように言えば、いつもななこは戸惑う。 「う、うぅ…」 「ね、教えて?」 「だ、だって……」 さらに真っ赤にした後、ななこは言葉をつづけた。 「……だから」 「へ?」 「だぁかぁら、AKUMAってアレンに思われてるんだなって思うとちょっと…って思ったからよっ////」 「きゅ、急に音量変えないでくださいよっ …つまり、ななこはAKUMAに嫉妬していた…?」 「…/////」 何も言わず真っ赤に頬を染めたななこ。 「そんなに照れないで下さいよ」 「だって…!」 アレンが耳元に口を近づけて言った。 「それでもななこが一番です」 「わ…私も////」 ななこは極上の笑顔を見せた。 ななこの百面相 (誰の所為でこうなってると思ってるのよっ) (僕はどんな顔でも大好きですけど♪) [←] [→] [back] [TOP]
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