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そこへ保健室の先生登場。手当てしましょうか?と言う先生に華綺は大丈夫ですと断った。




「…って、貴女ひょっとして今日来る予定の転校生じゃない?」

桃・越「「転校生!?」」

「クラスに行く前に校長先生と面会があるんでしょ?行かなくていいの?」

『えっと、あの…』




どうやら私は転校生の設定らしい。しかも、校長先生に会わないといけないの!?




「あ、来たばっかりじゃ分かんないわよね〜。ごめんなさい、案内してあげるわ」

『お願いします』




ここはもう成り行きに任せるしかないよね。行きましょうと言って保健室を出る先生について行くことにしよう。




「それにしても、転校早々怪我?何かあったの?」

桃・越「「えっと…」」

『えへへ。私ドジなんで、ちょっと転んじゃって。困ってるところをこちらの2人に助けてもらったんっです』

「あら、そうなの?貴方たち確かテニス部の桃城くんと越前くんよね。さすがテニス部。強いだけじゃないのね」

桃「い、いえ。実は自分が彼女を『でも先生。私のせいで彼らを部活の朝練に遅刻させてしまって』…え?」

越「…」

『もし彼らが怒られるような事になったら申し訳ないので、先生からも部長さんにワケをお話して頂けませんか?』

「まぁ、貴女いい子じゃないの。分かった。話しておくわね」

『ありがとうございます』




華綺は先生に頭を下げると桃城と越前の方へ向き直った。




『桃城先輩。カバンありがとうございました』

桃「あ、あんた…」

『これでグラウンド走らなくて済みますね』




桃城からカバンを受け取りながら華綺は、助けてもらったお礼ですと言ってにっこり笑った。




越「…ねぇ」

『ん?』




先生の後に着いて保健室を出ようとする華綺に越前が声を掛けた。




越「まだ、あんたの名前聞いてないんだけど」




呼び止められて振り向いた華綺は、あぁ、そうだったね。と小さく頷いてニカッと笑った。




『華綺っていいます。凰乃華綺!!よろしくね!!』




ピシッと敬礼すると、華綺は彼らの返事を聞くより早く保健室の先生を追いかけて綺麗な茶色の髪をなびかせながら2人の視界から消えていった。




桃「…何か、随分慌ただしいヤツだったな。越前?」

越「…」

桃「えーちぜ〜ん?」




黙り込む越前の前で桃城はパタパタと手を振った。




越「え? あ、あぁ。そうっスね」

桃「ホントに聞いてたのか?俺の話。まぁ、いいや。部活行こうぜ、越前」




保健室を出ていく桃城の背中を見ながらも越前はその場を動けなかった。




越「凰乃…華綺?」




まさか、あいつが今朝親父が言ってた…?






歯車が回り始めた。




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