3 in保健室 …−ガラッ 桃「あー…やっぱいないか」 『どうかしましたか?』 桃「まだ朝早いからな。先生が来てないんだ」 越「別にいーんじゃないスか?用が済めばそれでいいし」 越前はスタスタと保健室に入って椅子を引っ張ってくると、ガサゴソと引き出しの中をあさりはじめた。 越「何やってんの。早くここ来なよ」 『へ?あ、はい!』 ついボーッと眺めてしまった華綺は、慌てて越前が引っ張ってきた椅子に腰掛けた。 越「じっとしててよね」 そう言うと、越前はピンセットで摘んだ消毒液付きのコットンで華綺の膝の傷口をぐりぐりと拭いた。 『たっ…い"ったー!!』 越「ちょっ、耳元で大きな声出さないでよね!」 『ご…ごめんなしゃい…!!』 危うく手で口を押さえかけた華綺だったが、手からも血が出ていることに気付き思い止まる。 越「…はぁ」 桃「お、おい、越前もうちょっと優しくやってやってもいいんじゃねーのか?」 越「だけど桃せ『これでいいんです』…?」 桃「へ?」 『私、転び方下手だったから傷口に砂利が入っちゃってるし、こういう傷は甘く見ると後が厄介なんで、ちゃんと消毒しといた方がいいんです』 桃「そ、そうなのか?」 越「…(ふ〜ん。分かってんじゃん)」 『それに、ちゃんと優しくしてくれてますよ。もっと容赦なく手当てする人、私知ってます』 そう私のお母さんなんて…ブルッ…考えるの止めよ。 桃「そうなのか、越前?」 越「………別に」 桃城から目を反らした越前は華綺とバッチリ目が合ってしまった。 『ん?』 にっこり笑った華綺に越前は… 越「〜っ///」 ぐりぐりぐり 『ギャ――!!!?』 コットンでおもいっきり傷口を拭いた。 Back |