2 『あぁ〜、リョーマくん。何であなたはそんなにカッコイイんですかッ!!』 只今春休みで漫画を1から読み直している私。リョーマくんのあまりのかっこよさに、溜め息をついていると… 「…お姉ちゃん、五月蝿いんだけど」 今年中学生になる6歳年下の妹がボソッと一言。 『何ですって!?自分の好きなキャラ語って何が悪いの!!』 「別に悪いなんて言ってないし。五月蝿いって言ったんだよ。語りたければ1人で語ってればいーじやん。でも五月蝿いのは近所迷惑だし、私にも迷惑だからヤメテ」 『(…チッ、何さこの本の虫め!小学生のくせに(もう卒業してるケド)文学作品ばっか読みやがって!!)』 「何か言った?」 『なーんも』 最近口が達者になってきてちーっとも可愛くない!!この私の二次元好きも全然理解してくれないし!! 「いや、理解しろって方が無理だから」 『はっ!?心を読まれた!!読心術使うなんて、お前は不二か!!!?』 「はぁ?読むとか以前に普通に声に出てたから」 『何ー――!!!!!?』 「ふっ、まだまだだね」 『お前が言うなー――――!!!!!!』 なーんて、お決まりな会話が朝から炸裂。 はぁー、本当、頭痛くなってきた。いっそ誰か私を二次元の世界へ連れて行って下さい。いや、ホント切実に。 馬鹿馬鹿しいと言われつつも願わずにはいられないこの願い。私も自分のオリキャラのようになってリョーマくんと夢小説のような恋がしたいよ。 …ホントに。 「ちょ…ちょっと!!お姉ちゃん!!!!!!」 突然妹が声を上げた。 『何よ?』 「そ…そそそれ!!!!!!」 『…え?』 気付いても時既に遅し。私は手に持っていたテニプリから放たれるまばゆい光に飲み込まれ、その場から消えた。 Back |