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『山本くんは何してるの?』

「マフィアごっこなのな」

『マフィアごっこ?』




って、いったい何をするんだろうか。ちょっと面白そうだ。どんな遊びなのか詳しく聞いてみたくて口を開こうとすると、




「ツナたち遅いのなー」




山本くんが少し困った顔をして頭をかくから、聞くタイミングを逃した。




『沢田くんも一緒なの?』

「あぁ、俺は先に来ちまったんだけどさ。獄寺ともうすぐ追い付くと思うぜ?」

『ふーん?』




どうやら他に沢田くんや獄寺くんとも一緒に遊んでいるらしい。中学生男子もごっこ遊びするなんて知らなかったな。ぼんやり考え事をしていると、山本くんの大きな声が聞こえた。




「危ないッ!!!!」

『え?きゃあ!?』




さっきまでは普通に話をしていたのに、急に険しい顔になったかと思うといきなりこっちに手を伸ばして私を抱き込むようにして飛びすさる。その直後、大きな発砲音とともに今まで私たちが立っていたところに銃弾が打ち込まれ、細く煙が出ていた。




「大丈夫か?」

『うん、平気。ありがとう』




ギュッと強く抱き締めてくる腕を緩めさせてから山本くんと一緒に倒れ込んだ身体を起こして服の汚れを払う。っていうか、あそこで抱き締める意味あったのかな。
一通り体を見回してもどこも怪我はしてないし、問題はなさそうだ。これがさっき彼が言っていたマフィアごっことかいうヤツなのだろうか。




『って、うわー。弾丸が地面にめり込んでるよ!!リアルだね〜』

「だろ?すげーのな」

『うん、凄い凄ーい』




思わずパチパチと手を叩く。こんなにハイクオリティなごっこ遊びなんて私は経験したことがないから興味津々だ。




「よく避けたな山本」

『わっ、赤ちゃんがスーツ着てる!!』




気が付くと山本くんの肩に赤ちゃんが乗っていた。誰の子だろう。山本くんの知り合いかな?




『ねぇ、その子山本くんの知り合い?』

「ん?あぁ、まぁそんなとこだな。小僧、こいつはクラスメイトの夢見紗佳」

『こんにちはー』

「チャオチャオ〜」

『え?チャ…?あはは、面白い。チャオチャオ〜』




何だか良く分からないけど、どうやら山本くんたちはこの赤ちゃんの遊びに付き合っているらしい。そうだよね。じゃなきゃ中学生男子がごっこ遊びなんてしないよね。そんな事を考えながら手を伸ばしてきた赤ちゃんと握手する。可愛いなぁ。すると、赤ちゃんはぴょんと私の肩に乗ってきた。




「オレはリボーン。紗佳お前マフィアにならないか?」

『え?マフィア?』

「ははっ、夢見気に入られちまったみてーだな!!」

『えぇ?』




つまりこれはマフィアごっこへのお誘いなのだろうか?どうしよう。凄くやりたいけど…




『ごめんね。今日は用事があるんだ』




山本くんにはさっき言ったけど、残念ながら私は今お使いに行く途中なのである。




「残念なのなー」




そういってなでなでと私の頭を撫でて名残惜しそうな顔をする山本くん。髪がぐしゃぐしゃになっちゃってたらやだなぁと思いながらもとりあえず私も彼の言葉に頷いておく。




『うん、私も残念。また今度仲間にいれてね』

「…その言葉、絶対だぞ」

『リボーンくん?』




そしたら、リボーンくんが何か意味深な事を言っていたけれど、その時の私は赤ちゃんの言うことだとあまり気には留めなかった。私の言ったこの一言が私の人生を大きく変えることになるなんて、知りもしなかったんだ。




『でも、私すぐやられちゃいそう…』

「そん時はさっきみたいに俺が助けてやるって!!」

『ホントに?じゃあ、楽しそうだし、やろっかなー』















爽やか少年と
天然少女

「って!!やり取りがナチュラル過ぎるー!!(夢見さんまでごっこ遊びだと思ってるし!!)」
「おせーぞダメツナ」
「ひぃぃッ!!!!」


NEXTあとがき





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