camellia drop ※グロ注意 R15Gぐらい
ずぐ、ともざぐ、ともつかない音が、狭い旧校舎の一室に落ちた。既に声さえ出せない目の前の少年はただ、とうに光を無くした虹彩を藍色の長い睫で一線するだけである。
「俺、剣城の怪我するところが見たいんだ!」 それでね、考えたんだけどね、バランスを崩させる為にね、と俺は無邪気そうな笑顔を絶やさないまま、いつも剣城とじゃれあう力の五倍で剣城を押し倒した。剣城ったら、ずっと俺を力の無い優男だと思っていたらしい。日々の努力が報われた瞬間だった。 今まで半笑いだった剣城に、分かりやすく焦りの色が浮かぶ。 「ちょ、なに、ゃって、」 「何って、」 だから、剣城が怪我してくれるような仕掛けをするんだよ。
「い″っ!?ぃだぁあ!?」 すっかり亀甲縛りになった剣城の、白雪のような肌に鮮やかな赤い花が咲いた。梅、チューリップ。彼に似合うのはどんな花か考えても、俺には花の名前に関しての知識はあまり無い。 足の親指と人差し指の谷間から溢れ出たそれは、やはりそこから大輪の椿を咲かせた。ああ、椿。椿なら、剣城の柔らかい雪原のような足の甲にお似合いだ。 「ちゃんと切れるかな…?一応高めのハサミ買ったつもりだったんだけど」 「まつかぜ!いい加減もうやめ…う゛ぁぁあいだぁぁぁ、っぁぁぁ!!」 綺麗だ。 親指だけでも剣城は十分綺麗だ。
俺が少ない自腹を切って買った、少し高値の万能バサミが剣城の右足人差し指を完全に切り落とした。もっと剣城の可愛い叫び声を至近距離で拝聴したかったけど、誰か来たら面倒くさいから剣城の為にも口元にタオルを噛ませてやった。俺ってばすごくえらいこ。好きなこにちゃんといじわるしなかったんだよ! 「足の指はね、人間が自分を支えるためにすっごく重要なんだ。まぁ、知ってるだろうけど」 「う゛っぅぅぅぅ!!」 「特に右人差し指は、現実を導く指みたい。夢の実現に向けて前向きになりたい人に向いてる指なんだって」 ふーっ、ふーっ。タオルのコットンの隙間から漏れた息の音が何とも扇情的だ。 「大丈夫大丈夫、そんなに威嚇しなくても、死ぬまでやるつもりは無いよ?」 そうたしなめても剣城の俺を軽蔑非難敵対視、そして驚きに満ちた、裏切りを信じない目は変わらない。別に俺は剣城を裏切った訳じゃないし、愛ゆえの行動に下心以外の理由は無い。ああ、人を落ち着かせる為にはまず褒めないとだよね! 「んもう!剣城は本当に可愛くて健気で優しくて理想のお嫁さんだね男の子だから専業主夫になれるなんて勘違いしちゃダメだよ剣城は本当は心は女の子なんだから」 「ま゛…づがぜ…?」 まだ剣城は俺のことを信じている。それでいい。 「知ってる?俺お前のこと大好きなんだ。愛してるから試合で怪我しまくってよ霧野先輩みたいに」 「な゛ぜだ……」 何故って、好きだからに決まってるじゃないか。
「この前練習試合の紅白戦でさ、デスドロップやろうとしてゴールポストぶつかったじゃん。あれからかな、おかしくなっちゃったの…剣城どうしたの?勃ってるよ?まあいいや」 「んう゛、っっがあ゛ぁぁっ」 切り落とすのは左右の足の指二本ずつ。サッカーもギリギリ出来るし怪我もしやすい我ながらいいラインだと思う。足の指なら、俺以外の誰かに怪我の介抱をされても、日々の練習故の怪我だと言い張れる。 「あれで俺も勃起しちゃってさ。ふふ、俺ら変態だよね」 「う゛う゛う゛う゛っ!」 「でもね、調べてみたらちゃんとこういう思考に名前あるらしいんだよ。ハーマトフィリアって言うらしい」 「………」 「あっ…また失神しちゃったか。まあ声聞けないのは残念だけどやりやすくていいな」 そうやって俺は、剣城の指にハサミを進めた。よし、今度は左足だ。
失態性愛!グロ楽しかったですね!こう…体の一部だけ見ても天馬様は剣城が分かると思うんです…すき… camellia dropは椿の雫とかそんな感じです。あれ?天京書くとタイトル全部英語なってますね… 深い意味は無いですよ!
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