あなたが生きているこの世界に僕は
*ゲームクリア後のシステムネタバレあります。
シナリオのネタバレはありません。強いて言うなら神童復帰直後の話です。
ちょっとばかり
前の三拓と繋がってるかもしれないです。








今俺の手のひらの中には、一枚のコインがある。赤紫色にうすぼんやり光るそれを握らせたのは、今俺のもう一つの手を握っている奴だ。
灰と茶色のウェーブを汗に濡らし、完治したての脚で全力疾走する彼の姿は、とても財閥の息子とは思えない程滑稽極まりなかった。
ああ、あいつ嬉しそうな顔しちゃって、どこに向かってんのかな。


「三国さん!早く早く!!」
おい、神童、早いって。
「三国、さん……!」
いきなり止まったと思えば胸の中に飛び込んできたりして、今日のこいつはどうかしてる。ぎゅうと抱き締めた神童からは、いつもの柔軟剤の香りじゃ誤魔化しきれなかった汗の匂いがした。

……なあ、お前何でにやけてるの?
「だって、早く三国さんに化身つけてあげたいから……」
どうして?
「だって三国さん、ずっと化身欲しがってたじゃないですか。無頼ハンドもかっこいいと思うけど」
「じゃあ、じゃあなんで、」
なんでお前、笑いながら泣いてるの。
「ずっと、ずっと、おれ、ずっと!」
あなたに恩返しがしたかった!

ぼろぼろこぼれ出す雫は俺たちの首に下がってるペンダントと全く同じで、夕焼けに染まった地面を濡らす。


「ありがとう、ございました」
僕はこんなに。立派になった。



「三国ざん!」
「ん、どうした?」
「ずぎでず!!」
「知ってる。ほら、顔拭いて」
「結婚じでぐだざい!!」
「……俺たちまだ未成年だぞ?」
「じゃあ早く化身つけに行きましょう!」
「じゃあってなんだよ、」
「ほら早く、「神童」




「おおきく、なったな」




おやこうこうものの、かわいいこいびと。













三拓の日滑り込みセエエエエエエエエエエエエエエエエエエエフウウウウウ
タイトルは今聴いている曲の歌詞の一部からお借りしました。すき。
あと冒頭のコインは化身コインです分かりにくい!
三拓よ永遠なれ!!!!





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