※ギャバレ



暗い空を見上げながら歯を見せて笑む彼が、なんだか太陽みたいに見える。「狂ってる、」と、瞬木が半分自嘲ぎみに呟く。そんなのこの旅が始まる前から知ってるさ、とおれは言う。ああ、そうだな、と彼は言う。楽しそうだと思う。ここんところ、自由にスポーツできたためしがない。こんな中学生活、狂ってるに決まってるのだ。

どんどん空は暗くなる。でも彼の周りだけは燃えるように明るい。視界がひらけてゆく。青くなめらかな曲線が、最短距離で彼を指している。これが比喩だったらどんなに平和かな、と思う。彼とは体も心も繋がってるような気がする。彼も幸せかなあ。心が繋がるから幸せかなあ。

(天馬)
(剣城)
(……天馬)
(うん。剣城)
(ありがとう)
(おれも同じ気持ちだよ)
(……ありがとう)

空は相変わらず暗い。
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