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The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.




凍て蝶 act.4


※R要素が含まれてます。もう1度ご確認。お姉さんは18歳以上ですか?OKな方はスクロール。















曝け出された飛影の裸体に、蔵馬は誰にも真似出来ない妖艶な笑みを浮かべた。それはどこか、寒気を感じさせ、見つめられる側の飛影からすれば悪魔にも等しい笑みであったことであろう。飛影は全ての衣類を蔵馬の手によって脱ぎ捨てられ、純白のシーツの上で、全てを蔵馬に見せていた。これから成されるであろうことから戦き瞼を閉じ唇を噛む。躰を震えさせながらも、飛影は彼の人を思う。蔵馬に抱かれるのではなく、幽助に抱かれるのだ、まるでそう自分自身を慰め鼓舞するかのように。

まっさらな貴方は誰よりも美しい。あれほど奇淋に抱かれながら、少しもその気高い翼は折れていない。穢れを知らない貴方。憎らしいくらいに。だからこそ、その翼をもぎ取りたい。手折ってみたくなるのだ。この自らの手で。

今とて、些かもその矜持は失われていない。震えながらも、誰を思っているかなど、蔵馬からは明らかであり、その純粋さに皮肉に唇の端をあげて飛影の躰を舐めるように見つめる。その皮肉は、はたして、自分自身に向けられたものか、飛影を憐れんでみせたものか、蔵馬自身も判断に迷うところであった。自身は幽助ではない。幾ら自分自身の裡に云い聴かせたところで、その事実は代わらないのに。なんと可哀想な飛影か。そして愛しい飛影。そう思惟を進め、飛影の純愛を壊したい衝動が奥から沸き上がる。それらの衝動は、枯れることがない泉のようでもあった。

先ほどつけられた赤い斑点を、蔵馬は1つ1つなぞってゆく。脳裏に、先ほどの奇淋の動きを再現し、殊更同じ順にその赤い印を撫でてゆく。その行為は、裏を返せば嫉妬からくるものであったであろう。あれだけ奇淋を煽っておきながら、内心は荒れ狂う心を制御することに苦辛していた。傍目からは冷酷でもあり平静にも見えたことであろう。だが、冷静に見えてはいても、それらは演技を総動員してのことであった。本心は奇淋を殺してやりたくて堪らなかった。僅かにのぞいた殺気の鎧は、寧ろそこからたんを発していたと云えた。それでも、あえて奇淋をけしかけた。所詮は“道具”。感情を見せるのが間違いなのだ。蔵馬はそう割り切ってさえいた。貴方をこの腕で抱く布石として、奇淋を利用したに過ぎないのだから。貴方を地獄へと堕とす手始めに。愛しているから。その為ならば、どんな卑怯なことでもすると誓ったのだ。貴方から幽助という忌まわしい存在を消し去ることが叶うならば、自身は悪魔にでも死神にもなれると思い知らせてあげる。

「ふぁ、んっ」

「フフフ、いっぱいあるねキスマーク。気持ちよさそうに喘いでましたものね、貴方」

「・・・、さっさと、ぁんん、つ、突っ込んだらどうだ」

「クスクス。それじゃ俺がつまらないじゃないか」

楽しげに笑うその顔の向こう岸に、狂気を垣間見たような気がした。もはや、己の知っている蔵馬はもうどこにもいないのだ。

耳朶を食みながら、その誰をも虜にしてしまう低い美声を飛影の耳へと注ぎ入れる。耳朶から頬、顎先、首筋、鎖骨へと、徐々に味わう箇所を代えてゆく。躰に散らばるそれらに、唇をよせ改めて強く吸い、上書きするかのようにキスマークをつけてゆく。飛影はそのたびに躰をしならせ、戦慄き、くぐもった声を出した。1度男を受け入れてしまった躰は飛影の意思を裏切り続けた。

しなやかな躰に無数の汗が滲み出、飛影は蔵馬からの愛撫に耐えていた。声を抑えようとも、そのつど謀ったかのように蔵馬は手をなまめかしく動かし、結果として耐えようとした声が甘く唇からとろけ出す。無数の刺激により、尖り始めた胸の飾りを甘く食み、舌先で丹念にかたちをなぞってゆけば、飛影のそれは主人に従うかのように、赤々と膨らみ先端を尖らせてゆく。硬くなった胸の痼に歯を合わせ、もう片方の先端を指先で擦り合わせた後摘まみあげる。途端に、胸を突き上げるように躰がしなり甘く切ない声が出る。

「ぁんッ、・・・、ふぁ」

「コリコリ、ここ」

「やぁ、い、云うな」

自分自身の躰である筈なのに、思い通りに動いてはくれない歯がゆさ。蔵馬の愛撫などで感じてなるものかと、歯を食い縛るものの全てか無益に帰す。ばかりか、耐えようと唇を噛もうと試みるのだが、却って嬌声があがってしまう。下半身の一点に熱の塊が下ってゆくのを、朦朧とし始めた意識のなかでも判るのが悔しくて堪らない。先ほどの奇淋とのセックスは薬を使われたと云い訳が出来る。だが、今はそれが一切ないのだから。それなのに、ペニスは熱を持ち天に向かい始め、先端の穴からは先走りの液が幹を濡らしていた。

脇腹をなぞる手が徐々に降下してゆき、飛影のそれに触れるかと思われた。が、それはなかった。蔵馬は際どい箇所をわざとらしく避け、震えている内腿をさわさわと上下する。躰を這っていた舌を、内腿に残る赤いものに狙いを定めてゆく。柔らかい場所は、たったそれだけのことでビクリと波をたたせた。

蔵馬はその太股を持ち上げると共に、程よくついた筋肉を確かめるかのように、その脚の裏を舌を這わせてゆく。排出された唾液が、室内の灯りに照らされ、飛影の脚をなまめかしく映し出していた。舌がたどり着いた飛影の足首には、先ほど自身がつけた鞭の跡が生々しく残っていた。処々に小さな赤い傷口がのぞく。その傷口を見、何故ともなしに笑みが零れ落ちる。1つ1つを確かめるかのように、愛しむように、その傷口に舌先を尖らせ舐めてゆく。瞳の端では、それらに感じてしまったのか、飛影のペニスが先走りに濡れ天高くそそり勃っていた。

「クスクス、貴方感じてるんだ、薬もないのに」

「はぁ、・・・、んっん、ち、違っ」

その指摘に渇となるが、意思が躰に伝達出来ない。目の前で好き勝手ヤっている蔵馬を蹴りたいところだが、その肝心の脚は蔵馬からの愛撫の刺激に震えており、ものの役にはたたないことを知らしめている。それがいっそう悔しくて堪らない。

「ここも、気持ちいいって云ってるね」

「ひぁ、ンアアアー!」

いきなりそこを強く握りしめられ、耐えていた声が盛大に室内に響いた。

ジュジュと、粘着性の音が脚の間から響き、その音は却って興奮材料へと変質してゆく。瞼を閉じ、必死に左右に頭を振りつつそれらに耐える。だのに、聴きたくはないのに、耳を塞ぎたいのに、躰は猛りくる熱を放出したがっている。先ほど奇淋にいたぶられた筈なのに、また出したいと思うなどと。その屈辱感に、飛影はシーツを拳で握りしめ波たたたせた。

先端の穴に蔵馬の指先が掠め、ぐりぐりと穴を弄られそのたびに蔵馬の手のひらを新たな愛液が濡らしていた。

次の瞬間、後孔に痛みが走る。グニグニと入ってきた蔵馬の指先。先ほどの奇淋とのセックスの際、切れたそこは、たった1本の指先でも苦痛であった。しかし、蔵馬はそんなことはお構い無くなかを荒らし始めた。なかで指の腹が腸壁を擦り、その摩擦は苦痛以外のなにものでもない。しかし、幹から嚢を通り道とし、後孔へと先走りの液が辿り、いつしか蔵馬の指の出入りを容易いものへと代えていた。入り口を解していた蔵馬は、不意にその指を奥深くへと捩じ込んだ。

「グァ、アアアー!」

「クスクス、判る飛影。今入ってる指はどこの指?」

そんな恥ずかしいことなど云ってなるものか。しかし、それらの飛影の胸の裡の叫びを蔵馬は黙殺した。尚も強要し続け、飛影はそのたびに躰から汗が噴き出す。苦痛はいつしか快感へと席を譲り始めた。

「ほら、云いなよ、判るでしょう」

グニグニと、一点を掠められ、背筋から脳天に電流が流れたかのように跳ねた。云わなければ、いつまでもこうするであろう蔵馬の性格を思い、悔しさからまたしても涙が滲む。

「ぁはん・・・、か、ゆび」

「クスクス、よく出来ました」

「っあああー!」

蔵馬は充分には解れていないその蕾に、無理矢理指を増やす。前立腺だけを狙い、激しく指の注入を繰り返してゆく。湿った水音は絶え間なく室内を圧していた。その為か、飛影の幹は血管が浮き彫りになるほど張りつめ、淡い茂みは愛液で湿り、嚢は濡れうち震え、イク寸前のようになっていた。その幹にも、先ほど鞭の針で縛りつけた無数の傷口があった。痛々しいそれを口にふくむと共に、今迄以上に前立腺を擦りあげた。次の瞬間、青臭いドロリとしたものが咥内に広がる。ほんの僅かに、鉄の味も舌に残った。

「クスクス。さっき、あんなに出したのにね、まだ出るんだ。気持ちよかっただろう?飛影。男はね、ここを弄られれば、好きでもない相手でも簡単にイケるんだよ。今の貴方みたいに、ね。それとも、元々その素質があったのかな。淫乱な素質が、ね」

「・・・っ!」

ニヤリ、と、蔵馬の口角が奇妙に歪む。見つめられる黒に近い翡翠の瞳は、恐ろしいほどの焔がたゆたっていた。その為、飛影は屈辱的なそのセリフを否定出来なかったのである。悔しさから息を呑み、血が滲むほど唇を噛みしめ、蔵馬を睨み返すことがやっと出来た飛影の抵抗であった。

「フフフ。そんな怖い顔しないでよ、気持ちよくなろうよ、ね」

そして、その躰に今から思い知らせてあげる。貴方を抱いてるのは幽助じゃないってことを、ね。

突如、蔵馬は飛影の両方の脚を持ちあげ、躰を2つ折りにした。双丘だけを蔵馬に向けて突き出しているようなその姿に、羞恥が襲う。次の瞬間、硬いものが蕾へと押しつけられた。蔵馬の先走りの液を、殊更にそこだけに擦りつけてゆく。先ほど迄指を埋め込まれていたそこは、赤く捲れひくひくと終始収縮を繰り返しており、その僅かな隙間から、蔵馬の粘着性の液がコプコプと卑猥な音をたてながら呑み込まれてゆく。

しかし、そればかりで、いっこうにあの刺激が襲っては来ない。訝しげに見上げれば、妖艶な笑みを浮かべている蔵馬と視線が重なり合う。

そして、シーツの上に置き去りにされていた両方の手を取られた。なにを、そう問い質すより速く、蔵馬は云い放った。

「自分でここ持って脚広げて」

「なっ!」

「クスクス、なにをそんなに驚いてるの。貴方が云ったんじゃない、“抱いてくれ”って。ね、協力してよ、飛影」

「・・・、い、嫌だ」

頭を左右に振り、その顔色は蒼白なものへと代わってゆく。

「そう、ならば、“あれ”を幽助に見せてもいいんだね」

そのナイフのようなセリフに、飛影は膝を屈した。どう転んでも蔵馬に逆らえない。今更ながら、その事実に飛影は涙した。元を辿れば、全ての責任は己に帰す。

飛影は自ら震える手のひらを伸ばして行き、おのが内腿にかけた。おずおずと力を込め太ももを持ちあげ、躰を折る格好にする。先ほどそうされたように、蔵馬に向けて臀部を差し出す姿に、羞恥と屈辱感が後から後から溢れる。

「クスクス、そうそう。もっと広げてあそこが見えないよ」

ゆっくりと云われるがまま、手のひらを使い左右に脚を広げてゆく。すると、白皙の双丘から、赤い色をした秘孔がのぞき、物欲しげに動いている様が蔵馬の目に入る。蔵馬はおのが唇を舌舐めずをした後、その熟れた蕾へと自身のそれをあてがった。一瞬、ビクッ、と、強張りを見せた蕾は、次の瞬間難なく蔵馬のその硬く熱い杭を穿った。

「ひぃん、あああー!」

「フフフ、嫌だって云うわりに、絡みつけて離してくれそうにないね、貴方のなかは」

いきなりあの感じる場所ばかりを攻めたてられ、飛影はあられもない嬌声をあげ続けた。どこかで、それを嘲笑う声が聴こえたように思う。それとも、幻聴であろうか。今、この時も、夢ではないか。意識が遠くに攫われる間際に、飛影は悲しみでもって、シーツの上に幾つもの涙の跡を残した。ゆえに、飛影は気づき得なかった。蔵馬の瞳が、黒い翡翠ではなく、金褐色の色合いを見せたことを。そして。

「クスクス、これで貴方は片方の翼を折られたかな」

次は残りの翼を折ってあげる。その後は、・・・

蔵馬の乾いた笑い声だけが、室内に不気味に響いていた。










2012/5/17

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