The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.
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これが俺の愛し方です act.2
※R要素が含まれます。もう1度、ご確認。お姉さんは18歳以上ですか?OKな方はスクロール。
指を2本に増やし、少しずつ入口を広げにかかる。しわを1つ1つ味わうかのように嬲り、飛影の後孔は緩に綻び始め、蔵馬の指を奥へ奥へと誘う。
先ほど果てたそれは、再び硬度を持ち始め、幹を伝いながら、純白なシーツの上に、ぽたり、又、ぽたりと染みをひろげている。蔵馬は指は挿入したまま、唇をいったんその後孔から反らし、飛影に覆い被さるように、その背中を這いながら舌を滑らした。何時味わっても、飛影の肌質は心地よい。空いてる手で、乳首を捏ねると、ピクピク、と、蔵馬の舌と愛撫に飛影の背がそのたびに反応することに、蔵馬は至極の喜びを感じる。
飛影は飛影で、徐々に力が抜け、甘く蕩けるような声を出し、貪欲に指を銜えこむ。奥まった飛影の痼を刺激してやると、ひどく感じいったのか、シーツを掴む手に力が入り、淫らな波をうつ。
ああ、俺だけの飛影。
こんなに敏感な飛影を、誰にも渡すものか。普段、棘々しい鋭い刃にも似た彼が、閨の上ではこんなにも素直になる、と、他の男共が知ったら。蔵馬は、きっと耐えられない。壊すなど、そんな砂糖のような甘いことはしない、地獄の痛みを、何万回、何千回、何億回と味あわせてもまだ足りない。その魂さえも、いたぶり、嬲り殺す。例え、この世に生を受けたことを後悔しても、決して赦しはしない。
貴方は知らないでしょう、こんな醜い俺を。
貴方は知らないでしょう、こんな嫉妬深い男だと。
それでも、貴方を愛してるんです、こんなにも。
「何、考えて、やがる。さっきから?」
「貴方のこと」
「嘘、つけ。んっ。・・・だったら、もっと集中しろ」
「もう、貴方ってば、どうしてそう煽るのが巧いんですか?」
最初はあんなに嫌々するくせに、いざ、ことが始まると、途端に素直で積極的に変貌する。それは、蔵馬にとっても嬉しい変貌だが、だからこそ、誰かに誘われたら断れないのではないか、と、疑問が頭をかすめてしまう原因の1つである、と、彼は判ってない。そして、それは、少しの落胆と、安堵。
「煽ってなどない!」
うつ伏せの状態のまま、首をこちらに向け反抗するが、そのルビーのように美しい紅い双眸が裏切っている。潤んだ艶かしい色で責め立てても、説得力など持たない、と、何故、彼は気づかないのか。
「それが嘘。充分煽ってます。誰かに、実践したのかと疑ってしまいますよ、全くもう。もう1度聴くけど、本当に誰にも」
「貴様、くどい!」
「貴方がなんと云おうと、確かめます」
それ迄、指でゆるゆる、と、攻めていた場所から3本の指を引き抜くと、去っていくのを惜しむかのように収縮を繰り返す、その後孔。その絶景を前に、よく、自身は耐えていると思うくらい、飛影は艶かしい。本人が、また、無自覚ときてるから、尚、それは際立つ。
いったん、彼を腕から離し、本日きたもう1つの理由を取り出した。それは、なんてことのない鍵。淡く光る銀色の鍵。人間界ではありふれたその鍵は、俺のこれからの安定剤になる、筈。魔界では、鍵といえば、結界だ、それらを、自身で造り上げ、改良し、敵からも、又、味方からも守る。妖怪の種族には、稀に、特殊な結界を扱い、それを元手に商いをしうる者すらいる。
人間界に巨大な結界を張れば済む、が、俺は、飛影との証が欲しかった。2人きりの秘め事。そう、魔界に生を受け育った飛影、その彼を人間界に繋ぎとめておく証が。どうしても。陳腐な策だ、と、思いついた自身が1番よく判っていた。幼稚の独占欲に似た行い。人間界で暮らすうちに、どうも、自身は思っていた以上にセンチメンタルになったものだと、自嘲もした。
それでも、いい。
彼が人間界にきた時、いや、それを見つめる時、俺という存在にを思い出す証。彼のもう1つ氷泪石になる為に。
盗賊という、魔界で最もポピュラーな家業を縄張りにしていたわりに、宝石類にはとんと興味のない飛影。氷泪石を除いては。ダイヤモンド、サファイア、などをあしらった豪華絢爛な貴金属類を、例え、記念にと彼に贈っても、一笑にふすのは目にみえていた。彼は、彼らしく、手に入り難いと云われる難攻不落な、その物を盗む行為事体に意味があり、盗む物の価値には意味をなさない。
最初は、パールを考えた。理由は簡単、氷泪石に最も近い石だから。が、即座にそれは過ちであると、打ち消した。氷泪石に代わる石など彼は望んではいない、氷泪石は氷泪石だからこそ意味を持つ、それを、似たような石を贈ったりしたら、彼の逆鱗にふれることになる。
では何を。
一晩中考え、人間界にくる時に、少しでも、彼の近くに、少しでも、彼に安らぎを。そう、考えた末たどり着いた結論は、1番陳腐で、自身の独占欲を如実に表す物だった。
俺のマンションの部屋の鍵。
何時も、彼は窓からひょっこりと現れる。それは、それで嬉しい、が、どうせなら、玄関から、人間界でいうところの本物の恋人のように鍵を開けて待っていて欲しい。そう思ったら、いてもたってもいられなくなり、早々に合鍵を造った。母、南野志保利にさえ鍵を渡してはいなかった。彼女は、用があれば必ず前もって連絡を寄越してくれる、こちらが都合が悪い、と、云えばそれ以上は干渉しない、彼女なりに息子の存在に気遣って尊重していてくれることがみてとれ、有難かった。が、それは、それ。飛影という存在はまた別のもの。
何をおいても1番の存在。
シンプルなその鍵を飛影の前に差し出すと、思っていた通り、彼は眉間にしわをよせた。
「なんだ、それは?」
「ん、鍵」
「見れば判る。俺が聴いてるのはなんで、こんな代物を渡すかってことだ」
「飛影」
改まって彼の名を呼ぶと、まだ、熱が冷えていない躰をこちら側に向けた。
「俺たち、恋人、ですよね?」
真面目にそう問えば、飛影は目を見開いた後、プイッ、と、ふてくされた子供のように顔を背けた、が、続けて唇から奏でられた言葉に、暗かった俺の心に灯が灯った。
「それがどうした」
認めている。強引に始まりはしたが、飛影はきちんと俺を恋人と認めている。だって、ほら、その頬と耳。ぶっきらぼうな台詞とは裏腹に、僅に、頬と耳に、赤みがさしているのを、見逃さなかった。
「これ、俺のマンションの鍵。貴方、何時も窓からなんだもん」
「・・・それで?」
「ん?これを俺だと思って首から下げて」
細やかな願いは、叶えられた。
「・・・チッ。面倒なこと云いやがって」
寄越せ、と、不遜さを取り戻した彼は手を出した、が、この俺がすんなり渡すと思う?
「どっちなんだ。貴様は!」
「駄目。ちゃんと、マーキングしてから」
「は!?」
意味を謀りかねた飛影は、しかめっ面を深めた。が、途端に、蔵馬によってベッドの上に組み敷かれた、そして、あろうことか、その銀色の鍵を無理矢理飛影の後孔に突っ込んだのだった。
「あああー!・・・き、貴様。い、いきなり、何しやが、る」
いくら、蔵馬の指で解れたとはいえ、何の滑りもない金属を埋め込む奴の気が知れん。飛影は、ゆっくりと1つ息をついて、蔵馬を睨んだが、この事態を招いた眼前の張本人は平然としていた。どころか、美しいと称してよい微笑さえ浮かべていた。
「だって、俺の部屋に飛影の匂い以外持ち込みたくないもん。貴方と違って」
最後の嫌み含みたっぷりの言葉に、飛影は忘れていた怒りがぶり返し、渇となる。
「貴様!まだ疑っていやがったのか!」
「まだ確認中」
「ふざけるな!さっさと抜け!」
「嫌。マーキングするって云ったばかりでしょう?」
その蔵馬の表情に、飛影は背筋が凍るとはこのことを指すのか、と、改めて、蔵馬の底意地の悪さに呆れながらも半分は感嘆してしまっていた。
「ま、まさか。貴様、このまま犯るつもり、か?」
「そ。一石二鳥。貴方の中の具合も確認出来るし、鍵に、貴方と俺の妖気染み込むでしょう?」
「それを、この俺に、首から下げろ、と?」
「うん」
良くできました。まるで、蔵馬の顔つきはそ、そう語っていた、が、はい、そうですか、と、承服出来ないものは出来ない。飛影は即座に逃げにかかったが、既に半ば腰は砕けており、あっさり捕まってしまった。
「や、やめ。むっん、んん」
飛影は、最後迄云わせてはもらえなかった、唇に蔵馬の熱い唇が重なる、逃げをうつが、巧みに舌を絡めとられ、角度を代える際にも、息つく暇を与えてもくれない、歯の裏側迄あますとこなく荒らされた。蔵馬の唇が離れるころには、飛影は、とろり、と、文字通り蕩けていた。それを確認すると、ニヤ、と、口角を上げ、蔵馬は本格的に征服にのり出した。首筋に唇を移すと、普段、隠れている場所、問わず、吸い付き、蔵馬の好きな薔薇色を咲かせた。
「ま、待て、跡、・・・あっ」
「見られて困る相手でもいるの、違うでしょう?だったら、つけます」
その蔵馬の宣言に一欠片の誤りもなかった、首筋から更に下へ下へと移し、そのたびに蔵馬は跡を咲かせたのだった。
飛影の太股を割り開き、待ちわびていたそこに、蔵馬は突き刺した。
「あああー!・・・ゆ、ゆっくり。あ、たる」
何時もとは違う感触がある、蔵馬の熱い楔とは違い、冷たくて硬い異物。が、始めはその存在を気にしていた飛影であったが、蔵馬の余裕の無い突き上げに、何時しか、それを忘れ、蔵馬の首に己の腕を絡めて、甘い声を立て続けに上げていた。
「狭い、ね、飛影」
何時も以上に締まるそこに、蔵馬は嬉しそうに微笑み、腰をグラインドさせた。いい、飛影の中は異物に感じすぎてるらしく、又、ここ数ヶ月の間、誰もこの中を荒らした輩がいない、最後に抱いた時のままだ、そのことを確認出来、内心、漸くほっとした蔵馬であった。
「あっ、はん。・・・く、蔵馬」
「うん。一緒にいこうね」
蔵馬は飛影の分身を手のひらに包みこみ、腰の動きと連動して高みを目指した。
「あああー!」
「くっ、んっ」
蔵馬の手のひらには、飛影が放った白濁が、飛影の中には、自身の白濁が、それぞれ満たされ、濡らしたのだった。余韻を楽しむように、蔵馬は、飛影の邪眼のすぐ側に口づけた。飛影は、イッたその後、どうやら気を失わせてしまった様子で、身動きも出来ないほどだった。
綺麗に飛影の躰の後始末を済ませた頃、漸く飛影の瞼が上がる。飛影の寝顔は蔵馬を飽きさせることはない、何時見ても愛らしい。が、完全に飛影の瞼が上がり、目が合い、ニコリ、と、笑うと、舌打ちが開口一番に放たれた。
そして。忌々しげに。
「変態」
「うん。知ってます」
「・・・フン。自覚があるなら、まだ、救いようがあるな」
「ひどい云われようですね」
飛影はベッドから上半身を起こす時、胸に氷泪石とは違う感触に戸惑い、視線を落とす、すると、そこには、先ほど迄己の中に入っていた鍵が鈍く光っていた。
「・・・」
「なくしちゃ駄目ですよ」
「・・・フン」
ごろり、と、蔵馬から背を向けベッドに再度沈む飛影、だがその耳が紅く染まっていたことに、蔵馬は幸せを噛みしめたのだった。
数週間後の、大統領政府の会議場にて。すれ違った躯から、嫌みとも、称賛ともとれる言葉を拝聴することになった蔵馬。
「古狐。随分と可笑しなものを飛影に贈ったそうじゃないか?趣味にしちゃ悪趣味極まりないな。匂いがぷんぷんする。手合わせする輩がいなくなったと嘆いてたぜ」
「それは困りましたね」
「それすら計算ずくの上でやったくせに、よく口が回るぜ。時雨に迄下らん入れ知恵したそうじゃねーか?」
「ふふ。これが俺の愛し方です」
この上なく、蔵馬は美しい笑みで、そう締めくくったのだった。見るものを、魅了してやまない笑みの裏を知る者は1人で充分。
そう、貴方は俺のただ1人。
狂気と狂喜、相反するものをその裡に飼っている蔵馬の、愛し方。
Fin.
2010/12/18
Title By 確かに恋だった
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