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The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.




逃がさないよ俺の可愛い人 act.1


※R要素(女体エッチ)が含まれます。もう1度ご確認。お姉さんは18歳以上ですか?OKな方はスクロール。















「やあ。いらっしゃい、飛影」

いつも以上にふてくされた顔つきでの訪問に、微かに怪訝な顔を浮かべた。魔界で、またしてもなにかしらがあったのであろうか。躯に手合わせをすげなく断られた。うーん、いつものことだな。パトロールに飽きた。うーん、これもいつものことである。第1、人間界にこうして逃げ込んで来てくるのだから、それも考え難い。今更な気がする。では、なにかしらこちらが彼を怒らせることでも、・・・。逡巡の後、それは否定へと代わる。な、い、な。とりあえず、最近は彼の顔を満足に見てもいなかった生活では、怒りを買う暇はなかった筈である。それとも、会わなかった日々が長くなっていたから、やきもきして訪ねて来た、とか。いやいや、それは1番考え難い。と、云うより、これは限りなく願望の成分が多い。なにせ、彼が嫉妬心に身を委ねる訳がない、悲しい事実ではあるが。

お気に入りのココアにホイップを絞り、コトリ、と、彼の前に差し出す。不機嫌だった表情は、その一瞬、甘い誘惑に取って代わり、口元に可愛らしい笑みが零れ落ちた。その様を片隅で眺めやり、いつもと様子が代わらないことに、安堵のため息が零れ落ちる。

しかし、なんだろうか、この違和感の正体は。

じっくりと値踏みするかのように、彼を観察する。

「なんだ、さっきから気持ち悪い」

「そういう貴方こそ。いつもとちょっと違いませんか」

途端にギグリ、と、彼は硬直し、ココアとホイップクリームで造られた縞模様は、カップのなかで、その和かで温かい曲線美に無用な皺が入る。

あまりの狼狽えぶりに、安堵感は闇へと導かれ、益々眉間に要らぬ皺が加わる。端から見れば、この時の蔵馬の視線だけで人や妖怪は簡単に凍るであろう。あるいは、死神と握手した気分を味わったかも知れない。それほどの恐怖絵図であった。

「まさか、誰かに手込めにされたとか?」

恐ろしい考えを口にするが、彼の表情はなに1つ代わらない。ばかりか、意味を判ってはいない様子だ。はあ、と、内心でため息が零れる。何故、こうも自身の魅力に無頓着でいられるのか、蔵馬としては甚だ疑問である。おかげで、こちらは毎日毎日要らぬ嫉妬と戦っているというのに。

滑らかなきめ細かい肌、大きな円らな瞳、形のよい唇、触れたら折れてしまいそうな細い腰、無論、これらに絶大な妖力。常の怜悧な妖気が、黒龍波を放つとともに霧消し一変してあどけない雰囲気になってしまう、そのギャップに溺れる輩は実は1人、2人ではない。彼に憧れている妖怪を一々あげていたならば、日が暮れるのは必定。憧れで済まない輩は、蔵馬の手で、その運命を呪いながら霊界の門をたたくはめになっている。それも、人知れず、ひっそりと。その残酷極まりない処刑を目にする者がいたならば、嘔吐や目眩だけでは済まないであろう。それなのに、他人からの評価など理解していない。どれだけ、可愛らしいのか、どれだけ、愛らしいのか、てんで、まるで、1ミクロンも判ってないから、嫉妬して苛々している蔵馬を見ても、飛影は何故苛ついているのかさえも判らない。

首を傾げるだけで、今の質問もどうやら蔵馬の空砲に留まった。

「いいです。今の質問は却下します」

「判る質問をしろ」

「じゃ、簡潔に聴きます。・・・貴方、なにを隠してるの?」

「か、か、隠してない」

「そんなに動揺してるのにかい」

これだから、この男は嫌だ。些細なことでも敏感に察し、こちらの退路を断つのだから。

「いいです、それじゃ、躯に聴きますから」

魔界の姉、もとい、保護者の名前を口にする。案の定である、「云うから」と、簡単に折れた。それはそれで、非常に面白くない、が。この際は大人しくしよう。事情を聴き出すのが、この場合先決である。

「で?」

「し、時雨に」

時雨?その瞬間、鮮やかに蔵馬の脳裏で死刑が敢行されたのだった。その脳裏を時雨が見たならば、さぞや震えあがったことであろう。罪状は云わずもがな。

「なにをされたの?」

「く、薬で」

媚薬!?この己でさえ、まだ試していないというのに、大した度胸だ。百回あの世を見せるだけでは気が済まない。が、その考えに、次なる台詞で大幅修正を余儀なくされたのだった。

「・・・。女にされた」

か細い、頼りなげなその言葉に、蔵馬は一瞬硬直した銅像と化したのだった。

「・・・」

美しい銅像の脳裏が、暫しの無言の園を泳ぐと、出口へと向けて思考が再開する。“女”に、された。そのままの意味であろうか。よく、男に抱かれた男を指して、女にと云われるが、それならば、飛影は既に“女”になっていることになる。蔵馬に開発され、至るところで感じる躰に。まてまて、それではやはり、手込めと同一ではないか。

「ああ、えっと、飛影」

「五月蝿い、俺だって恥ずかしくて人間界─こっち─に逃げて来たんだ」

「時雨とのセックスが恥ずかしかったの?」

「・・・。貴様、時々アホになるんだな」

「え、違うの?」

「この俺が貴様以外に赦すとでも思うのか」

云い終えて、自身の失言であったと慌て口を手のひらでもって塞いでも、後の祭りである。ニヤリ、と、蔵馬の唇は人の悪い微笑みを浮かべていた。チッ、と、忌々しげにそっぽを向く。羞恥で染める鮮やかな赤い顔を、喜ばない男がいたら、お目にかかりたいものである。

「忘れろ!」

「無理です。貴方に関することは、この上ない記憶力を有してると自負してます」

「下らん、て、なに慣れなれしく触ってやがる。この手を離せ」

「・・・。なんか、いつもより、一回りサイズ小さいですね、貴方の手。そういえば、躰そのものも」

そこで、先ほどの言葉が蔵馬の脳裏に蘇る。「女にされた」あれ、である。

「え!?ま、まさか」

「貴様でも間抜け面をするんだな、て、おい!どこ触ってやがる、貴様!」

ムニュ・・・

柔らかい。小ぶりではあるが、形のよさそうな乳房に絶句する蔵馬。

「う、嘘」

「離せ、いつ迄揉んでやがる」

そういえば、微かに香る妖気からは女独特の甘い香りが漂う。男には絶対にないその香り。飛影の耳元に鼻を寄せ、芳しい匂いに酔う。甘さを控えていて、それでいて男を誘う匂い。

「き、貴様!なに押し倒してる」

「ブラジャーしてないの?」

「そんな恥ずかしいもの誰がつけるか!それに、1日経てば元の姿に、て、き、貴様、う、うわ」

「可愛い」

黒い衣装を脱ぎ捨てると、いつもの平らな胸は、なだらかな曲線を描きつつ、小谷を造りだしている。ツン、と、その中心地には美味しそうな果樹が実っていた。

「ひゃあん」

どうやら、感度も受け継がれている様子に、蔵馬の笑みは益々黒さを増して行く。口のなかで、硬さを増す果樹に丹念に愛撫をする。いつもの硬い弾力も棄て難いが、柔らかいこの膨らみもいい。もみくちゃに揉み上げ、しかし、その動きは繊細を極めていた。その手触りを楽しむ。チュ、と、痼を吸い上げると、むず痒いのが堪らないのか、一筋の涙が頬を伝え落ちる。

「セックスしたら、元に戻るかも知れませんよ」

「ば、馬鹿、そんな訳なかろう!ただの薬の副作用だ」

飛影の必死の抵抗は、難なくかわされる。躰が女になったゆえに、腕力もそれ相応に劣っていることに、この時始めて気づいたのだった。

「あ、んん・・・、ふぁん」

「嫌々云うのに、躰は正直ですね。ここ、びしょ濡れじゃない」

「ひぃぁ、・・・ぅんん。くらまぁ」

にゅちゃ、と、とろみのついた液体が蔵馬の彫刻をも恥じらう美しい指先につく。ゆっくりと襞をなぞり、蜜を出している穴に指先を入れ浅く挿入を繰り返す。熱い胎内に感応し、己の下半身も行き場をさ迷うかのように成長している。

「凄いねなか、ぐしょ濡れ」

「や、云う、なぁ・・・、ひぃあ」

指先を引き抜き、襞を上になぞり割開く。その上に隠れているクリトリスに爪をたて、新芽を摘むように指先で擦る。

「ひぃああー!」

「感じる?」

「や、ら、らめ、・・・、おかしく、なる」

小さい突起に舌先を転がし、愛液とともに嬲る。すると、びくびく、と、飛影の躰がドライオーガズムで痙攣したかのように跳ねた。女の躰になって始めて味わうその快感に、戸惑いを隠せないのか、はたまた、単に恥ずかしいだけなのか、飛影は両方の腕で顔を隠してしまった。

「飛影」

「や」

「可愛い」

「五月蝿い、変態!」

「酷い云われようですね。まだ入れてもないのに」

「い、入れるつもりか、貴様は」

「当然。貴方の処女は俺のものです、誰にも譲れません。と、いうことで、続きを」

「ぁん」

グイ、と、軽々と両足を開き溢れ出る愛液を舌先に味わう。淡いピンク色をしている襞を開き、なかを確かめる。ねちゃ、と、厭らしい水音を伴奏に、指先は温かな場所へと導かれる。そして、とん、と、微かに主張している膜に辿り着く。そう、処女膜である。誰にも荒らされてはいない、その証に、蔵馬はひっそりと微笑を浮かべた。

「ひぁ!や、痛い」

「まだ触っただけだよ。そうだ、貴方も確かめてごらん」

飛影の手をとり、指先をその濡れた秘所へと導く。

「どう、自分のなか。熱くてびしょ濡れでしょう?」

「ひぃぁ、ん、・・・や、ら、らめくら、まぁ」

「クスクス。入れて欲しいの?そんなに指物欲しげに動かして」

こくん、と、知らず知らずのうちに飛影は頷いていた。こうなってしまうと、素直になってしまう。頬は紅潮し、円らな瞳には透明な膜が貼られていた。その姿に、渇いたかのように、蔵馬の喉が鳴る。飛影の指を引き抜き、成長した自身の分身を宛がう。男の時には解すことも大切なプロセスではあるが、女の蜜が滴り落ちる場所に突き入れるのも悪くはない。無論、その相手は飛影限定ではあるが。他の者が突如女になったところで、蔵馬は眉1つ動かしはしないであろう。飛影だから、欲しくなる。飛影だから、なにもかも赦してしまう。飛影だから、どんな姿でも愛しい。

「入れるよ、飛影」

にゅちゃにゅちゃ、みちみち、と、楔が秘所を荒らす。

「ああー!く、くらまぁ」

熱くてしっとりと包まれる感触が、下半身をより一層大きなものへと変質する。半分も入ってはいない、が、先端部に先ほど確認した膜が、最後の牙城のように待ち構えていた。

「感じる、飛影?俺の先に貴方の処女膜がある、ほら」

腰を引き、ほんの僅か力をこめその膜を刺激する、破いてしまわない細心の注意で。すると、耐えられないのか、なかが急激に締まり、蔵馬の楔を締め付ける。

「くっ、・・・こら、締めないの」

ぺちり、と、可愛いお尻を1つ叩く。その振動がなかを荒らしている場所に迄響き、飛影は甘い嬌声とともに更に締めつけた。

「可愛いんだから、もう」

「や、もう、やら、・・・また、へんになる、ひぃああー!」

びくびく、と、絶頂の余韻に、飛影の躰は痙攣したかのように小刻みに震える。

「そのまま力抜いていてね、飛影」

感じたばかりの躰を、蔵馬は凶器にあたいする楔でもって突きあげた。

「ああああああー!」

「最高、貴方」

「くらまぁ、くらまぁ」





来た時より、更に悪化した膨れっ面を枕に押しつけていた。

「怒らない怒らない」

「くそったれ!腰立たなくなる迄犯りやがって。時雨に会ったら絶対殺す」

「・・・」

「なんだ!?」

「それってさ、こうした原因は怒ってるけど、原因を食べた俺は赦してあげる、そういうことですか?」

「な!こ、言葉のあやだ!」

「可愛いんだから、照れちゃって」





後日───

「あの失敗したという薬まだあるかい?」

味をしめた蔵馬が時雨に訊ねる姿が、百足内部で見られた、とか。










Fin.
2011/7/12
Title By 確かに恋だった

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