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The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.


2014/02/16Sun
小ネタ。
遅刻ネタ。



当然ながら魔界にバレンタイン等の習慣は皆無だった。その為飛影はこの日茶色の食べ物を好いた相手に贈る事も知らない。数週間前から蔵馬はあれこれと好き嫌いを尋ねるのだが、飛影は今更の様に思い殊更強気に出てしまった。結果、大喧嘩を演じた。絶対に来てねと云われたこの日、飛影は隠れ家の様にしている公園のベンチの上。今更会うのもこちらから謝るのもしゃくである。膝を丸め寒さを紛らわせてみたものの、その様は誰が見ても寂しそうであった。周囲を見渡すとそこら中恋人同士と思われる者たちばかり。そのことがまた飛影を苛立さた。

なんなんだ、今日は。

「あれ?飛影じゃねえーか」

振り返ると幽助がいた。これから仕事なのだろうか。よく見ると手に贈り物らしきものが。飛影は思わずじっとそれを見つめてしまう、その視線に気づいた幽助は一瞬にして悟った。ははーん、さては喧嘩したな。しかも、絶対にバレンタイン絡み。

試しに手にしていたものを飛影に向け食うか?と、聴いたが、食べ物だということにその時になって漸く気づいたほど。無知にもほどがある。てか、蔵馬その辺ソツなくやりそうだが。相手が飛影だもんなあー。せいぜい好みの物造って渡すことくらいか、で、しつこく聴いたが為飛影が逆ギレして飛び出したってとこか。これではサプライズどころの話しではない。

「バレンタインっつてな、好きな奴にチョコレート贈る日なんだよ今日は」

仕方なく種明かし。が、返ってきたのはキョトンとした顔だった。感覚が無いのだろう、魔界には。やっぱり、な。だからなんだ?とか云いそうだぜ。案の定。

「だからなんだ?」

一言一句同じく云い返され幽助は苦笑した。

「まあ、気持ちの問題だ。普段好きなんてセリフ云えねえーからな、今日だけはってな」

・・・

「茶色のものだったな確か」

ほんのり頬が赤い。今日だけは、というところが飛影のなにかに触れたらしい。こういうところが可愛い。なんて、蔵馬に云ったら半殺しどころか地獄へと送られるな。

「ピンクでも白でもいいんだぜ」

からかう声で云うが、飛影は真剣だった。

「俺がそんな色のをやったりしたら寒いだろう」

「ニシシ、でもやんだろう蔵馬によ」

おうおう真っ赤真っ赤。

云えない思いとともに蔵馬に捧げるのだろう。幽助は自分自身の想像が正しく報われることを知っていた。

Happy-Valentine───





いたたたたー、間に合いませんでした!しかも中途半端。きっと飛影たん板チョコが精一杯なんだろうなあー。おそらく明★。ガー★は包装の時点で飛影たんがその板チョコに負けないくらい真っ赤になっちゃうから、ウフフ。そんな彼が好きじゃー!!あ、それと、ご推察の通り、この後蔵馬兄さん美味しく頂いたことでしょう。勿論、本人☆



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