- Awake Memo - | ナノ




The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.


2012/10/22Mon
小ネタ。
Peart・・・?何番だったかな。



またまた女の子飛影たん♪。



仲間内での宴会。珍しく、本日蔵馬は遅刻。喧嘩上等、お酒大好きな面子が揃えば、宴会というなの最早迷惑としか云いようがない。人間界では、彼らの力は強大過ぎた。気のすむ迄暴れる前に、この人間界に歪が生じてしまうのは明らかであった。その為、彼らが集まる場所は限られる。幾重にも張り巡らさた結界のなかの寺。今、主はいない。しかし、その淋しさを埋め合わせるかのようにここにくればドンちゃん騒ぎ。そして、いつしか可笑しな方向へとそれてゆく。本日も例に漏れず、であった。誰から始まったのか、怪談話し。オイオイ、皆様妖怪じゃ?なんて云ったら話し始まらないんでこのまま続けさせてねお姉さん。それなりに修羅場をくぐり抜けてきた面々であったが、この日、過去最も恐ろしい地獄を見た気分を味合わされることになるとは、この時まだ知らないでいた。

「ヨーシ!じゃ、次は俺様だな」

雰囲気造りもばっちり。1人1人が話しを終える都度、部屋に灯された蝋燭が消え、暗闇が支配してゆく。が、例え幽霊が出てきたとしても、幽助などはさっさとぼたんを呼びつけて道案内しろ、と、却って説教するかもしれない。それとも、元上司たるコエンマを直々に呼んでいたぶりかねない。しかも、喜んでやる!このあたり、困った共通点と云えよう──・・・、そう、あの、銀髪を持つ男と。

「血塗られたばーさんに追いかけ回された話しなら昔聴いたからな、桑原」

「判ってらいっ!」

第1、そんなものではここに居る連中からみれば恐怖には値しない。そのことをよく判っていた。ここは、とびきり驚愕する話しを披露しようじゃねえーか。と、内心で桑原は歪んだ心意気を露にしていた。後に、桑原は、後悔という言葉と懺悔という言葉は表裏一体なんだな、と、幽助に漏らしたとか。

「これは、実際に見た話しだ」

薄暗くなった室内。低く、よく通る声が語りを始めた。蝋燭の炎が、僅かなすきま風たちと邂逅するたびに、その揺れ動く影が皆の顔色を本来からかけ離れたものへと誘っていた。桑原の真剣な声色と、その操る炎の影、その2つを間近に見、鈴駆や鈴木はごきゅと、喉がなる。自分自身たちが異形の者であるという認識は彼らには薄い。魔界の住人であったとしても、この手の怖い話は耳を塞ぎ目を背きたきたいのが本音だ。恐怖支配を怨嗟する声だけが聴こえたとか、無念の魂が妖怪を襲い村1つ消えただとか。狂った妖怪が仲間の遺骸を食べた。そんな話しは魔界ではごろごろしていた。

「ある日を境に、おれん家でしゅしゅとなんかを引きずった音がすんだ。それは、1週間ぐれー続いた。隣の部屋は知っての通り姉貴の部屋。ああ、こりゃまた変な幽霊が姉貴に相談しに夜な夜な来てんだな。ぐれーにしか、最初は思っちゃいなかった」

確かに。あの女性には勝てないような気がする。霊力の問題以前に、幽霊も妖怪も出会った瞬間、眼力だけで霊界へと誘われてしまいそうだからだ。

「だが、次の月もその次の月も、一定期間だけその薄気味悪い音だけが続いた」

幽霊の気配ではなく、妖怪。これは、雪菜さんを狙った奴らの仕業かも知れないと、桑原は思いたち、(既にこの時点で静流への配慮を飛ばしています弟君。)そっと、部屋の扉を開け中を覗いた。手にはこの時既に次元刀が握られていた。そこには2つの影。1つは当然ながら姉、そして、もう1つは。桑原は敢えてそこで押し黙り皆の顔を一瞥する。真剣な表情はこの暗闇のなかでは見えない恐怖が増大する要因となっていた。あの静流と対峙出来る妖怪、そう考えるだけで鈴駆などはチビりそうになっていた。鈴木や酎も喉の渇きを誤魔化すかのように生唾を呑んだ。

「女の子が姉貴にサラシの講義を受けてたんだよ」

「・・・は?」

なんじゃそれ?

「しかーも!なんと!聴いて驚け!その女の子の正体が、“飛影”!どうだ参ったか!」

意気揚々と告白したその秘密。さぞかし恐慌状態へと皆落ちるものだとばかり思っていた。が、皆の顔には、今更かよ、という文字がありありと浮かんでいた。桑原は当然ながらそれには気づかない。飛影本人が女の子ということにコンプレックスを抱いている為、皆知らぬふりを通しているだけである。

「そのサラシ理由ってよ、“彼氏”に襲われる回数減らす為だった、とかか?」

「よく判ったな浦飯」

そりゃ、ね。よーーーく知ってる。あの男が絶倫だということは。所構わずイチャイチャと。その点では、飛影に同情を寄せてしまう。ブラジャーではあっさりはぎ取られてしまうが、サラシならば逃げ出す時間を少しはかせげる。おそらく、そんな感じの理由。

「なんでも危険日ってのがあるらしくてな、その一定期間はガード固くしねーととか云ってたな」

それ、排卵?の間違いだ。しかし、よく判ってない桑原にそれを教えるのは酷のように思えてならない幽助だった。

「てか、なんだ?その白けた顔はよ!揃いも揃って!」

それぞれが大きなため息を零したちょうどその時であった。ゆらり、と、1つの影が桑原の後ろで動いた。その棘棘した気配に、はっ、と、気づいたのは桑原をのぞく全員。ザザー、と、まるで潮がひくように全員が部屋の片隅へと固まる。このタイミングでこの男には会いたくはなかった!まさに、悪魔降臨!幽助は桑原の名を呼び続けたが、周囲からは念仏に聴こえたと後日指摘をうけた。実際、不憫な窮地にたった桑原を悼む思いがこの時幽助のなかにはあったのは否めない。

「見たんだ、桑原君。彼女の肌」

完全に怒り狂ってる。それが証拠に、蔵馬の口元には絶えない微笑が深く刻まれていた。飛影の秘密を漏らしたことの怒りより、飛影の肌を見た怒りが勝っている。それはそれで、1つ問題だが。

「ああ、少しな。乳首ピンク色だった」

「・・・、墓穴を掘る姿がこんなに滑稽に映るとはな」

死々若丸の冷静な指摘に青ざめながらも皆同意し頷く。

「皆」

「は、ハイ!」

「ちょっと桑原君と2人で話してきます、彼を借りますね」

「どうぞ!!」

蔵馬は桑原の首根っこを鞭で縛りあげると、その桑原の苦しんでいる顔を満足気に一瞥し部屋をあとにしていった。

「・・・、怖かっただー!」

陣のセリフにおおいに頷きあっていると、閉じられた筈の扉が開き、蔵馬が蝋燭の前に立った。そして、おもむろに桑原の蝋燭の灯火を消しさった。

「フフフッ」

そして、今度こそ閉じられたは閉じられた。

そこにいた全員がその蔵馬の意図を察していた。桑原が話した秘密は怪談として処理しろ、と。そのなかに含まれていた排卵周期も当然ながら忘れろ、と。蔵馬からしてみれば、例え仲間とて飛影のそれらは秘っしたいものらしい。間違いなんておこりようもないが、万が一、いや、億が一、飛影に対しそのような不埒な行為をして妊娠なんてことになったら。その時、誰が1番不幸なのだろう・・・

遠くから木霊する桑原の絶叫は、一晩中夜の闇のなか。

その後──
幻海の寺には鬼が住んでいる。そう語られるようになったそうな。





ちゃんちゃん。
ギャグだかなんだか判らない話しに。しかも、怪談って、季節外れ、(´∀`*)r。



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