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The dear devil was found. It is destiny to love it if it is destiny to fight again. Oh, you are my fallen angel.


2011/02/07Mon
感情対価
幽助が知りたい飛影の秘密とは・・・



「本気かい?」

幽助の突拍子もない数々の言葉に対しある程度免疫力がついたと自負していたつもりであった、が、まさに、つもり、でしかなかったと改めて実感させられるとともに、呆れたのだった。そして、僅に嫉妬の成分が含まれてもいた。

飛影は傾きかけていたその気持ちを己で気づかず、蔵馬に絆された、その事実は、未だに蔵馬にすきま風を感じさせるのだった。

これは、あるいはいいチャンスではなかろうか。

「おーよ!蔵馬は気になんねーのか?」

ため息を溢し肩をすくめ、降参の意を評した。その言質は確かに、昔1度は感じた疑問である、それ故に幽助の疑問に同調したのであった。すると、輝きがますますその瞳に宿る。カウンターを乗り越えんばかりのその勢いに、それとはまるきり対極にますます困った表情になる蔵馬であった。

「だからよ、おめーも協力しろって!」

「・・・判りました」

「さっすが!」

「しかし、条件つき」

「条件?」

幽助に予め釘をさしておかなければ、大変な惨事になったら目もあてられない。

「君は隠れてるだけです」

案の定、ブーイングの表情で幽助はやいやいと騒ぎたてたが、有無を云わさず黙らせた。

「確かめたいのでしょう?だったら俺のやり方でやります。幽助は手を出さないと約束してくれますか?」

「んー!?」

しばしの間、腕組みをし唸る幽助。が、やはりというべきか、心の重石は、好奇心のほうに比重が傾いたのであった。

「まあ、仕方ねーか。俺は確かめられりゃかまわねーけど、なんか関係あんの?」

大有りだ。知られたら、まるごとマンション黒焦げは目にみえている。それほど大事業なのだ。しかも、それによって幽助がそっち側に目覚める、なんてことにでもなって泥棒猫に変貌しないと誰が保証出来る。漸く、それこそ、年単位で落としたというのに、こんな謀ごとをしたと彼に知られでもしたら、破局に繋がりかねない。そればかりか、消えた気持ちに火がつく結果にでもなったら、1番自身が道化だ。





「いいですね、絶対に音たてないで下さいね。いくら、妖力を消す薬草を飲んだとはいっても、彼は気配に敏感なんですからね」

「わーった、わーった。こっちの部屋に隠れてりゃいいだけだろう。そのカメラに映るのをこっちのパソコンで見るだけだし。あれか、媚薬とか使うんか?」

ニシシ、と、興味から下品な笑い声をたてる幽助を冷やかに一瞥し、宣言した。

「そんな無粋な真似、誰がしますか。実力でしますよ。そろそろ飛影が来る時間です。いいですね、見るだけですからね」

幽助の見たいもの。いや、正解には興味のある、だな。それを、まざまざと自身の“やり口”でもって見せつけた。半分以上は意地と幽助への競争心からではあったが。飛影は巧妙に隠したカメラの存在には気づかず、そのカメラに向かって、甘い嬌声をあげながら意識を失った。丁寧に彼の後始末を終えた後、ガチャリ、と、隣室に入る、すると。茹でた蛸よりも更に真っ赤な幽助とご対面したのだった。

その間抜けな顔を見られ、狂喜したことは、この際黙秘してやろうじゃないか。君への友情に免じて、ね。

「ね、彼も精通きてたでしょう?」

満面の笑みで、蔵馬は臆面もなくそう云ってのけたのだった。それは、蔵馬からしてみれば、長年の恋のライバルでもあり、目の上の瘤でもあった幽助への勝利宣言でもあったのである。

「く、く、蔵馬!誰が生のAV見せろっつったよ!てか、何時からおめーら出来てたんだ!?」

「等価交換です」

「は、い?」

「君は知りたかった情報を得た訳だ。でも、誰がタダでそれを教えるとでも?俺と飛影の秘密を知ってしまったのですから、それ相応のことはしてもらいます。ね、幽助」

ニコリ、と、爽やかに笑う蔵馬を、幽助は始めて、怖い、と思った瞬間であった。





後日───

「おめーに同情する飛影」

屋台にやって来た飛影に対し、ニンニクラーメンをおごりながら、先日の件を思い出しながら、そう評した幽助であった。ニンニクラーメンごときで、あの蔵馬の執拗な愛撫に太刀打ちできるとは限らない、が、それは、幽助なりの彼への同情であったかも知れない。

学んだこと。

蔵馬を怒らすべからず。










Fin.
Title By 確かに恋だった



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