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<〜もしあの場面が違っていたら〜>






ぽかぽかしていてとても暖かい。


あ、そうだ……今は日陰で寝てるからだ。




あれ………なんで寝てるんだ私……?




えーっと……あぁ確か疲れたから、だっけ。




どれくらい寝たのかな、時間が全くわからないや。







「……て、……」





……声がする。



なんか、似たようなこと前にもあったな。


この声、翔音くん………?




……私の隣にいるような気が………。














バシャァァァァァア




「ぶふぁぁぁああッ!?」






な、なん、何だ何だ!?



顔に冷たいものがバチャァァって……。







あたりを見回すと、私から少しはなれたところに翔音くんがいた。




こちらに水鉄砲をむけている。







……水鉄砲だと……!?




「……ちょ、翔音くん……なんで水鉄砲……」

「……この家の玄関にあった」






なんで玄関に水鉄砲!?
遊ぶ気だったのか柚子は!?



いやそれよりも、






「それをなんで私にかけるのさ!!おかげで顔がびしょびしょになったじゃんかああああ」

「……だって、ゆすっても起きなかったから」

「だから水鉄砲有効活用したの!?どんな理由だ!!」






私がそういっても、翔音くんは気にしていないみたいだ。





“私を起こす”という目的を果たして満足したのか、彼はぴゅーぴゅーとあちこちに水鉄砲を発射している。





……楽しそう………




なんて起こされ方だ私。



確かに目はばっちり覚めたけどさ。






何この敗北感んんん

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