(スタースクリーム×ショックウェーブ) 



セックスは死ぬほど嫌いだ。ただ俺を抱いたあとのあのお方は幾分か優しくなる、それが好きで何度も求められるがままに抱いて頂く。間違っても抱かれてやっているのだとは思わない。俺の全てがあのお方のものであればいいのだから、時に期待外れに無抵抗に体を差し出せど頭を垂れて縋ればふっと頭上で笑みを零すあの方が好きだ。爪先をついと口付けるようにして、あの大きな手が肩を掴み、乱暴に膝へ引き上げて下さる。そうして何もかも手放して、闇が解ければうっとりと眠りから覚めることが出来た、はずだが。
「何をしている」
「そりゃこっちの台詞だぜ。ここはメガトロンの寝室だろ?なんでお前がそこで寝てるんだ」
「察しが悪いな、スタースクリーム。そんなにも粗末な頭をしていたのか。気付かなくて悪かったよ」
起き抜けに見たくもない顔を見て頭を押さえる。身振り手振り大袈裟に何かを喚く愚か者に背を向け、スラブを下りようとすると足の間を残ったオイルが伝った。不便があるとすればこれだ、処理をされたことはないししてもらおうとも思わないが、モノと量に対して腹が足りていない。欠けたハッチの隙間から漏れ出て床を汚すのを見ていると、役立たずの男が背中合わせにスラブに腰掛けた。
「それよかお前だよお前、まさかメガトロンと本気いちゃこいてたのかよ」
「単なる接続行為に何を求めているんだか、寒気がする」
「の、割には…執心じゃねえか」
「…そこまで知ってまで、お前も俺と寝たいのか」
スタースクリームの指先が腰をなぞり、ぐいと引き寄せるその手つきに呆れる。それを払わずいれば背中に排気の熱を感じた。こんな場所でどんな回路であれば発情出来るのか甚だ疑問だ。舌が項を無遠慮に舐めあげる。あまり覚えのない感触に、喉が鳴る。
「試してみろよショックウェーブ。案外、あのデカブツよりも楽しめるかもな、そうは思わねえか?」
「まさか。お前には無理だろうよ」
「全く可愛くねえな、メガトロンにするみたいにしろよ」
「俺が何をしようがメガトロンは可愛がってくれるからな、わざわざ媚びる必要はない」
ふん、と鼻で笑いスタースクリームが愛撫を始めた。どう振る舞ったところでこの手は俺に触れる。誰かがこの体に触れる度に思い出すのはメガトロン様のことであるはずなのに、それからは繰り返しこの身を委ねた他の男ばかりが脳内を占めている。例えば、そうだ、何よりもこの口ばかりの男を筆頭に建前の裏を性器でつつかれる思いをする。



140213
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