(ホイルジャック×ラチェット)R18/擬人化/パロ
※湯田さんの淫魔設定をお借りしてます



長旅の疲れを癒すためたまの贅沢にと高い金を払っての宿泊を決めたホイルジャックを迎えた部屋は、初めての解錠にもかかわらずベッドに珍入者を匿っていた。中で丸くなったそれは、わざとらしく乱れた白いシーツの上で異形の尾を揺らめかせ、誘う。ホイルジャックは溜め息をひとつつくと、勢いよくわかりきったその正体を暴いた。
「俺じゃなかったらどうする気だったんだ、ドク」
医者を隠れ蓑に人間に紛れて生きる、淫逸な悪魔に問いかける。天に伸びる角、背中の折り畳まれた蝙蝠のような翼、そして鞭のような獣の尾。夢魔の男は白い髪をかいて、シャツ一枚ひっかけただけの上体を起こした。そうしてホイルジャックの呆れ声には唾を飲む音を返し、空腹に頬を硬直させて、獲物に手をかけた。
「会いたかった…早く、早くしてくれ」
とろけた声と、触れた指から伝わる熱にホイルジャックは口の端を吊り上げる。ぞわぞわと背中を這い上がる欲求には抗えない。白い手の誘うままにベッドに腰を落ち着け、素早く足の間に跪く祓うべき魔物を愛しげに撫でる。ラチェット、とそれを呼んだ瞬間からホイルジャックは本来の職務を放棄し、ただの捕食対象へと成り下がる。
「ああ……っ、ホイルジャック……お前さん、何日入っていない?」
「さあ、3日は入っていないかもしれん。嫌だったか?」
「雄のにおいが濃くていい…うまそうだ」
手際よくその手の中に収めたホイルジャックの性器に頬擦りをして、ラチェットは躊躇いなく口づけた。汗と小便で蒸れたものとは思えないほど、それが育つ様を見つめる瞳は真剣で、好物を目の前にした子供のような顔つきになる。心底嬉しそうに頬張り、丹念に舌先で唾液をまぶし、頭を上下させてしゃぶる。すっかり腹に反り返るようになると、一度口を放し満足げに息を吹き掛けた。そんな僅かな刺激にさえぶるりと震える一見グロテスクなそれが愛しいのだ。同様に勃起したペニスを隠したまま、太ももを擦り合わせながら愛撫を続ける。
「さすがに、上手いな…っ、出そうだ」
「いつもより早いじゃないか…いいぞ、私にたっぷりかけてくれ」
「ああ、…しっかり味わえよ、ドク」
ラチェットは糧となる精液を待ち望み、根元の玉までも指先で弄ぶ。それから先走りを絶えず溢す亀頭にきつく吸い付き射精を促せば、間もなくうめき声と共にホイルジャックが達した。
「ん、んぐぅう…!ん、ふふ…んぅ、う、はぁ……あっ…」
淫魔たる体から無意識に発せられるフェロモンが作用し、性欲は増幅され、量を増し一層濃い体液は大きく開かれた口へ、紛い物で騙し続けた胃袋へ向け流下される。口内に残ったものを舌でねぶり、やがてうっとりと唾液に混ぜて飲み込むラチェットの表情にホイルジャックは再び昂った。屈んで、汚れた口元に噛みつく。薄いが柔らかな唇を割り、舌を絡ませあうことに抵抗もない。
「美味かったか?」
「そりゃ、とっても…久しぶりの食事だからな」
「素直に俺のが好きって言えばいい」
「…調子に乗るな」
精を待ちきれないほどの飢えが治まり、ラチェットの態度はよく知れたものへ変化する。しかしこれからが本番だ。剥き出しになった太ももが濡れている。ホイルジャックは完全にベッドに乗り上げ、煩わしい服を取っ払った。期待に勃起したままのペニスを揺らし、被さるラチェットもホイルジャックの腹を跨いでシャツを脱ぐ。
「おっかないな、まるで本物の悪魔だ」
ばさりと解放された翼が広がると圧巻なもので、落ちた影にホイルジャックは思わず苦笑した。見慣れないわけでも恐れを抱くでもなく、ただ夢魔に恋した現実を受け止めるだけだ。
「入れるぞ…」
ラチェットは休む間もなく後ろ手に再び硬度を取り戻したペニスを握る。そして膝を浮かせてその先端を穴に宛がい、眉根を寄せてゆっくりと飲み込んでいった。男を受け入れるためのそこは準備も要さず、容易にねっとりと絡みつく。ホイルジャックは息を詰めて快感をやり過ごしたが、すぐさま開始された穏やかな律動に自制がいつまで持つかは疑問である。
「ホイルジャック、ぁっ…ああ、あぁん…は、あ…ッ」
インドア派の白い素肌が、健康的に日焼け逞しく男性的な体の上で頼りなく扇状的に揺らめく。ホイルジャックはあくまでラチェットの好きに動かせながら、年季の入ったお世辞にも若く美しいとは言えぬその体を堪能した。
夢魔でありながら老いによる限界を感じ隠していた全てが暴かれている。余り気味の腹の肉がうむ線も、肉付きのいい少し垂れた尻も、むっちりとした太股も、熟した魅力ある裸体として映った。汗ばむ肌は嘘のように手のひらによく馴染み、触れるどこもかしこも熱い。現役を退いたところでその色香も衰えてはいない。何より感度が良かった。
「くそっ、ドク…すごいな」
「あう、んんっ、ひぅ、うああっ」
少しずつラチェットのペースを乱すように突き上げてやれば、白い喉が仰け反る。ホイルジャックは胸についた腕をしっかりと掴みながら、足の間で揺れるペニスを見やる。
「さっきからイってるんだろう?」
「あっあっわか、んなっ…!い、いいんだ、すご…ぉっ、あっあぐっん、ああ、っあ!」
だらだらと溢れる液には白濁がまじり、無防備な乳首をべろりと舐めるだけでびくびくと震える。絶頂の際の締め付けにホイルジャックも射精に至った。きゅうきゅうと絞りとるような内壁のうねりに、堪らず腕を握る手に力が入る。
「中ぁ、あ、あっ出っ…あっ出て、る…」
「ッ…嬉しそうにして、かわいいなあんた」
「ふぁ…あ、おいし…っ、ホイ、ルジャック…、もっと…もっと…」
「今日は元気がいいじゃないか」
割れた腹筋に向け明らかに吐精をしたにもかかわらず、ラチェットは未だに腰をグラインドさせてねだっている。ホイルジャックは互いに萎えることないペニスを思いやり、汗でしっとりと濡れたうなじを引き寄せるてキスをした。そのまま動きやすい体勢に導いて角度が変われば、新たな刺激にラチェットが泣く。腹の間で擦れたペニスの脈動までも気持ちがいい。
「そんなに俺が好きか、ドク?」
「…すき、好きだよ。好きだから…ホイルジャック…」
「まったくあんたは狡いな」
ホイルジャックはどこまでも甘い誘惑にのる。身代わりであれ、ただの食糧であれこの男を甘やかしたい。いい加減哀れな自分に喉の奥で笑い、尻の肉を両手で更に左右に引き割った。隙間から漏れでた精液にラチェットが切なそうに声をあげる。
「もったいないじゃないか…」
「いくらでも食わせてやる、ほら…続けるぞ」
「ああ…たくさん、私の中にそそいでくれ、ホイルジャック」
耳元に落ちる熱い吐息に高揚する。揉みごたえのある尻から手を離し、揺らめいた尻尾を軽くしごく。それからゆったりとボディラインを確めながら、翼の生えた背中を撫で、ぎゅうと抱き締める。
「あんたが好きだよ、ラチェット」
油断した体を突き上げて悲鳴のような歓喜の声を噛み締めて、ホイルジャックは終わらない夜の入口に笑みを零した。



140110
湯田さん執筆許可ありがとうございました!
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