0.5坪の高熱 1/2



部屋のエアコンが壊れて、このクソ暑さにどうにもならず飛び出した。しかし現役稼働している冷房機があるのは一階のリビングであり、そこは5つ下の人気者の弟が合コンかと突っ込みたくなる3対3の男女混合勉強会中。ここは俺の家だ。だから澄ました顔してソファにでも寝そべっていられる立場だが、色気づいた女の子たちに何かと絡まれるのは御免だった。特に今日は、初対面から猛アピールしてくるミエコちゃんがいるから嫌だ。
そんな風に何処へ行こうか迷っているうちに、補習から脱走してきた制服姿の不法侵入者にトイレに連れ込まれて、俺は今全身汗だくだ。額から流れてきた汗が目に入って染みて、やけに熱い体が被さってくると頭がぐらぐらしてくる。
「ッは、ぁっ…くそ、離れろよ、アッチィ」
「えー…なんかいいじゃないですか、こういうの」
爽やかに笑い、タンクトップの下に潜り込んでくる手がベタベタしていて気持ち悪い。掴まれた胸回りが妙に熱を持って、指の間で乳首を挟まれるともっと体温が上がった気がした。遠慮のない触り方に頭を叩き、声を押さえて反抗する。
「くそバカ…!下にガキ共いんのわかっ」
「知ってる知ってる。わざわざ出てこないって」
「そういう問題じゃ…っ、おい、こら、クソ、やめろ」
「大丈夫ですから。ね?晶さん、エッチしよ」
ぐいん、と尻に股間を押し付けてくるバカは崎森幸政という、弟の部活の先輩にあたる。俺より4つ下の高2だが、背が高く力も強い。おまけに大のつくスケベで、俺にとっては彼氏というよりもほぼセフレだ。ご近所さんというだけの付き合いが、いつの間にかこうなるものだ。塀と木を伝って2階にある俺の部屋の窓から侵入しては、こういうことをしている。まともではない。
「んま、くっつくなよ、ベタベタすんだよ!」
「俺のチンコももうベタベタですよー」
「暑いんだよっ、やだって、おい、崎森」
「晶さんの汗のにおいすんげー興奮しますね」
崎森は調子にのって、俺を後ろから抱いたまま腰を回した。デカさも固さもよく知ったものが擦れただけで、体が疼く俺も相当なバカだと思う。それにこの状況、耳を澄ませば階下から弟たちの青春真っ盛りに黄色い声がするのに、兄の俺はサウナじみた狭いトイレで男とセックスなんて、興奮する。
「こういうシチュ、晶さんも嫌いじゃないでしょ?」
図星を突かれて苛立ちながら踵で足を踏みつける。
「ッい!もう、照れ隠しでそういうのも可愛いけどさあ」
「うざいんだよお前」
蒸された俺の頭は正常な判断力を失い、年下のムカつくくらい雄を感じさせる顔にキスをさせる。首をひねって、柔らかい唇を割った先は溶けそうなくらい熱かった。手を伸ばして、鍵をかける。
「晶さん、やる気になっちゃった?」
「お前がそうさせたんだろ、くそ野郎」
「あっはは、超嬉しいし超可愛いんですけど」
「言ってろよ」
俺は体の向きを変えて、ちゅむちゅむと舌を吸われながら股間を押し付けあった。今から崎森を押しのけて出るのにはまず無理があるし、何かしらの条件を出すのも面倒だった。いっそこのままヤってすっきりする方が何倍も楽だと思ってしまい、垂れてくる汗を何度も拭う。
「あついね、晶さん」
優しく囁き落として、正面からぴったりと抱きついてくる崎森に、バカみたいにドキドキしている。ハーパンの中にもぐりこんできた手が尻の肉を揉んで、谷間を開く動きをすると体が跳ねた。すぐそこに指が迫っているのに、入ってはこないもどかしさがいい。
「こんなとこまで汗かいてる」
「ん、は…っ、そういうの、いらね…っ」
「こういうのって、言うから気持ちいいんだよ」
崎森の指が汗ばんだ谷間を滑って、穴をノックする。それから擦られて、まるでソコが欲しがって吸いついているんじゃないかと思う。絶対に口には出せないが、いうなれば、体の奥がきゅうんとして仕方がないのだ。俺の体は、崎森とする気持ちのいいことに敏感で、貪欲だ。
「晶さん、脱がしていい?」
「……好きにしろよ」
もどかしい状況下で、まだ焦らされる。息を飲んで俺を裸にしていく崎森はエロい。トイレの中で何も身に着けずにチンコだけ元気な間抜けな姿を見て、今にも涎を垂らしそうな顔で、俺の鎖骨のあたりとそっと噛んでくる。
「想像より、ずっとやばいんですけど」
「な、に…参考にしてきたか、ぁっ、吐けよ…」
「真夏の密室汗だくSEX的な、AVを見まして」
「すげぇ直球だな」
正直すぎて笑ってしまう。すると崎森は少しだけ恥ずかしそうにして、照れ隠しにか乳首を舐めてきた。それも参考ビデオ通りかとツッコんでやりたかったが、熱すぎる濡れた舌先は快感を連れてくる。尻を触っていた片手が胸まで登ってきて、片方をいじる。ああなんでこんな前戯だけでいいのか、よくわからない。
「ぅん、んっ…や、ぁ…っぁ、ん」
「汗しょっぱくて美味しいですよ、晶さん」
いい味付けですね、なんて面白くもない冗談つきで熱心に乳首を吸われると、足ごと揺れる。小さい窓の向こうで蝉が張り切ってないている。夏だ。暑い。馬鹿みたいに暑い。そんなことを考えても腰の痺れからは逃げられず、チンコは濡れた。自分で触って、にゅるにゅるの先っぽがやばい。
「俺がいるのにオナニーしてんの?」
「ふぁ、あっ、だ、って…これ、はは、やばい」
「笑っちゃうくらい気持ちいいんだ、それ」
「お前がしてくれたら、もっといいから、触って…?」
「今日のツンからのデレすげくないっすか、もー!!」
人のことをスケベモード呼ばわりした崎森が、チンコを握る。大きくて熱い手に包まれて、びくびく震えるを見てしまうだけでも気持ちいい。いやらしい音がやたら耳につく。


 


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