夜鶴衝動 2/2



「んっ、ぁっあっ、と、巴…もう入れてぇ…!」
「まだ駄目。今は指だけ」
頭を左右に振って見せる父さんのペニスが、今にも射精してしまいそうなのは見えていた。もちろん僕の指をしっかりと咥えこんだお尻の穴も全部、明るいリビングでは丸見えだ。男の、父親の体は、普通こんな風にはならない。
「父さん、入れてほしい?」
「うん…ッ、いれっ、入れてっ…巴の、ほしい」
「僕の何がほしいの?」
「お、ちん…ち、んっ…を、お尻に……く、ださ、い」
本当は失望しなければいけないとはわかっていた。けれど僕は、あっさりと父さんから指を抜いて、自分のペニスを中に入れてしまう。下着の下で十分に固くなっていたもので、父さんを悦ばせるために。平らな腹が上下しているのを見ながら、僕は呼吸を合わせて穴に宛がった先端を埋めていった。
「ぅっ、あっ…ぁっ、ぁッ…は、ぁ…んぅっ」
難なく僕を受け入れていくそこは、熱くとろけていきそうだった。女の子を知らなくてもわかる。人の中を犯すというのはとても気持ちがいいことだと、きっと本能的に誰もが知っている。だから、セックスをするのだろう。
「……入ったよ、父さん。気持ちいいね」
「と、もえ……巴、すごく…気持ち、いい…」
父さんは僕の背中に腕を回してぎゅっとしがみつく。僕がゆっくりと腰をつかうと、開いた口から高い声を溢れさせた。奥を突くというよりもペニスを包む肉の壁を擦りあげるように動く。
「んんっ、うぁ、あっ…は…ッぁ、あ、あぁっ」
少しずつ僕は余裕を失くしていきそうだった。目を潤ませてだらしなく歪んだ口元が愛しくて、僕は父さんと何度もキスをする。ぴちゃぴちゃと音が聞こえてくるくらいに深く舌を絡ませ合った。
「っは…、ぁっ、あぅ、あっ…ぁン、ふ、ぅう…ッ」
「すごいぐずぐず…ねえ、背中痛いでしょ。上乗れる?」
「えっ、や、ちょ…っと!待っ、巴…!」
僕は声を無視して、上体を起こす。ぴっちりと入り込んでいたペニスは抜けてしまい、切なそうな父さんが追い求めてくるのを期待した。騎乗位を好まない父さんは躊躇したけれど、それでもゆっくりと膝を立てる。自分で挿入しなければいけない羞恥に、体が震えている。
「焦らないでいいから」
「今夜は…い、じわる、するんだな……」
今更隠しても意味がないのに、腹に反りかえるくらいになったものを手で押さえて、父さんは僕に跨った。汗ばんだ肌がきらきらして見える。僕は腰を支えてあげながら、自分でお尻を左右に開かせている姿に唾を飲んだ。
「ひっ、ぃ、いぁ、ぁっ…、はっ、入っ…あぁ…っ」
僕のペニスがずるずると入っていく。父さんは少し苦しげに腹をさすり、何度も深く息を吐いた。落ち着くのを少しだけ待ってあげたけれど、ペニスの形に慣れてきたお尻の穴はいやらしく蠢いて、僕を快楽の中へと引きずっていこうとする。
「父さん…、ね、動いて…ほら、ねえ」
「待っ、んぁ…ッ!あ、だ、だめ、ぁ、く、ぁっあっ」
駄目だなんて嘘だ。始めだけ軽く揺すってから、僕は動きを止めた。父さんはどちらが動いているのかも分からず、体をくねらせた。押し付けるようにぐりぐりと腰を回して、お尻を浮かせた後は一気に落として、一人で気持ち良くなっている。繋がったところがどんどん熱さを増す。
「ともえ、ぁんっ、ん、あっあっ…ぅ、や、あんん…!」
「いいとこ、…当たって、っ、るんだね」
「あ、ぃ、いい…っ、すごぉ…ッ、いいっ」
肉のぶつかる音と父さんの甘ったるい声が耳につく。どんどん射精感を高められて、二人で息を乱しながら貪欲なセックスをした。父さんが何度もイクと繰り返して大胆になる。足を大きく開かせると、どろどろに濡れたペニスが跳ねているのに、女に見えた。
「巴っ、イって…ッ、中で、おま、っこに、頂戴…っ」
最低な台詞を口走って父さんは仰け反り、触らずにいたペニスからは勢いよく精液が噴き出す。がくがくと全身を痙攣させる父さんの中はまたぐねぐねと僕を締めつけて、やがて僕も中で射精させられた。
「っ、はぁ……っ、父さん、…平気?」
「うん…あ、ぁあ…へ、き…だよ……巴」
父さんはへらりと笑って腕を伸ばしてくる。そして僕のことを反対に押し倒して、胸を合わせながらまた腰を振る。中に出した精液が漏れたお尻の穴がにちゃにちゃと音を立てた。まだ固いペニスをお腹に押し付けられて、頭がぼうっとしてくる。
「愛しているよ、巴」
知らない女の人がのっかっているような気持ち悪さと、父さんを好きな気持ちがごちゃごちゃに混ざりあっていく。だから、またペニスが反応してしまう。僕がそんな変態だから、父さんは壊れてしまった。

結局、泣かされるのは僕の方だ。ありったけの精子を体内にぶちまけて空っぽになってようやく、僕は解放される。親子間では許されない歪んだ交わり方でしか、父さんは僕を愛せなかった。



150322

 


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