能ある鷹の隠すもの 2/2



俺は鷹野がよく映るように場所を移動して、ベッド上の絡みを再び録画する。原さんは鷹野の下着までずり下げて生尻にチンコを挟んで腰をかくかく振りながら、脇から忍ばせた手で乳首を摘まんだ。
「ふっ、あ……っぁ、んっ、くぅっン、あっ」
鷹野は喘いで体を開いていく。後ろから愛撫され、項をちゃぴちゃと舐められて半勃起状態の姿なんて、テレビの中の彼からは想像も出来ない。それも男相手に、こんなにいやらしく乱れるっていうのだからとんでもない。
「はぁっはっ、くそっ…こんまま、ぶち込みたい」
「いくらなんでもそれは」
「冗談だって。でも試す価値はある。滑るもん寄越せ」
「ええっ、ちょっ嘘でしょ原さん…!」
とか言いつつ見渡してみれば、鞄の傍に保湿用のローションが立っていた。原さんは俺の視線に気付きがっつり勃ったチンコを揺らして取りに行く。男らしい姿に思わず笑いそうになったが、これから始まることにそんな余裕なんて不要だ。
「楠見、ちょっとこっちの足持て」
「本気でやるんすか」
「最悪起きても酒のせい、これは夢なんやでぇ」
わざとらしい関西弁と本気の目に気圧されて俺は鷹野の片足を軽く持ちあげ、たっぷりと透明な液が絡まされた指が入り易いように手伝った。原さんは穴を探り当てて躊躇いなく埋めていく。こんな簡単に入っていいものなのか。鷹野が違和感から逃れようと腰を動かしても抜けるわけがない。
「んっ、ん、ぁ……あ、んんっ」
ローションを足し足し原さんは中を拡げていく。苦しげな声もさっきより熱っぽさを増して気持ち良さそうだ。俺は足を持つ手を離し、そろりと腹を撫でてみた。そこから上へ滑らせて初めて男の乳首を触ってしまった。きゅむきゅむいじってみる。
「やぅっ…あっ、く、ぁっ……!」
「か、かわいいー」
「な?こっちも大分緩んできた……ぐちゃぐちゃ」
「あっ、んっ…!は、ぁっ……ふっ、ンぅう」
言われて見れば、いつの間にか鷹野を犯す指は2本に増えていた。チンコを突っ込むよりも生々しくて、カメラで追いながら何度目かもわからない唾を飲む。もうここまで来てしまうと、鷹野のチンコが見たくなった。原さんは意図して触らずにいるが、俺は気になっていた。
「んふっ……は、あンっ、あっ……うっ」
浴衣がほとんど脱げた滑らかな体が仰け反る。勃起してひっかかった下着に染みをつくっていて、尻からの刺激でぴくぴく跳ねている。触ったら、射精してしまうのだろうか。
「さてと、はーっ……生でしたいけど仕方ないか」
そうやって俺が迷っていたところで、原さんはマイペースだ。指を抜くと先走りで濡れて臨戦態勢のチンコにどこから出したのかコンドーム被せ、入れ易いように鷹野の体を仰向けにする。足を持ち上げて腰の下へ枕を挟みもすれば、さすがに起きてしまうんじゃないかとハラハラした。
「鷹野クンのハツモノ、頂きます」
「ぁっ…ぅ、くっあッあ…、は、ぁぅ…あっ、んッ」
原さんのチンコが、ずぶずぶと鷹野の中に入っていく。俺はある意味目眩がするほどのショックを受けて自分のパンツを汚したのを感じた。呼吸も荒くなって顔が熱くて恥ずかしい。けれど2人の行為を未だしっかりと記録する冷静な俺がいた。画面の中で、原さんがゆっくりと腰を進めるのをぼんやりと見た。
「ぅわっ…中きゅうきゅう締めつけてくる」
「ひゃ、っぅう…く、んっ……ッぁあ、あっんぁ…!」
びくっと原さんの体が強張る。よく見れば鷹野の下着の染みがさっきよりも拡がって、先っぽを擦っているところから精液が滲んでいる。あの鷹野静司が尻でイった。その事実を笑うなんて、今の変態的な俺には出来なかった。
「はっはあっは、なんて気持ちいいんだ…っ」
原さんは感極まった声をあげて更に腰を振った。ズコズコと遠慮のない動きで、汗で滑る足を何度も抱え直して鷹野を犯す。まるでこの空間に俺がいるのも忘れたように。背中を丸めて乳首に吸いついて、ちゅぷちゅぷ音を立てる。
「ンひぃっ、ぅっ…ぁっあっ、ふぁっ、あ…っ」
目を開けない鷹野の顔はエロかった。得体のしれない快感に苛まれている表情が、下からの突き上げてがくがく揺れる。腕が頼りなさげにシーツの上を這って、縋れるものを探している。夢の中では何が起きているんだろうか。何に犯されてこんなにも感じているのか。確かめることは出来ないが、少なくとも目の前の光景は現実だ。
「ぅっ…も、イクッあーっ出るっ出るっ」
「あぁッ…んはっ、ぁっ…ぁっ…ぅあ、ぁッん…!」
鷹野の体と被さる原さんが同じように痙攣した瞬間、俺までその中に混じったような感覚を味わった。

原さんがのろのろとチンコを抜いたところで録画を切ると、足から一気に力が抜けてその場に座り込み、動けない。原さんは色んな意味を込めて大丈夫かとニヤニヤ笑っていたが、構うものか。
「まだ時間あるし、お前も抜いてくか?」
「……いや、いいです。原さんほど趣味悪くないんで」
「でも鷹野クンが足りてないっていったら?」
ドキンッと口から心臓が飛び出るかと思った。もしも俺が鷹野を犯したら。原さんのようにチンコを突っ込んで腰振って、さっきまでの甘い声を出させたら。それは間違いなく最高の快感だろう。そう思って俺はなんとか立ち上がり、ふと鷹野の顔を見た。その時だ。
「はっぁ…っぁ…れ、ンぅ……?」
鷹野が、薄く目を開けた。ざっと血の気が引き、3人で沈黙する。悪いことは出来ないものだ。

幸い、鷹野はこの夜中の出来事を覚えていなかった。俺と原さんは再度鷹野が寝入ったことを確認し、不自然でない程度に浴衣を着せ、ベッドを直して立ち去ったのだ。よかった。それはよかった。しかしそれ以来上手く付き合えているのか不安は常に付きまとったのだった。



141121

 


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