*おまけ対話
「…なぁおい加賀。オレちょっと感動。奥さんにべったりじゃねーんだな」
「当たり前だろう。雪乃には雪乃の付き合いがある」
「あー、奥さんにあっつーい視線、和奏(わかな)に厳っしー視線送り付けてなけりゃ見直すんだけどな。つーか何、あのコら知り合いだったわけ。やべー和奏ちゃん超可愛い」
「お前の女はどうでもいい。それより問題はコレだ」
「あー、うん。いやでもこれ、さぁ。加賀が婚約者フったからじゃねぇの」
「あの女はこんな周到な事は出来ない。馬鹿に素直だからな」
「和奏は実直で誠実っつってたけどな」
「それよりクライアントの件、練り直すぞ。――いったい誰が引っ掻き回したんだか」
「あー、ウン。そだね」
「なんだ」
「別に」
「なんだ」
「あ、奥さんこっち見て笑ったよ加賀」
「ねー拓くん。うちの社長がね、すごい人材を見つけたって大興奮なの。なんでも携帯とパソコンでぱぱっとうちの持ち株上げたらしいのよ。なんかその分拓くんとこの減っちゃったらしいけど、あんま影響ない(多分)って。でね、その男の子の名前聞いたら、社長何て言ったと思う?――なんと、美濃部くんだったのよ!」
…とか、言えないしネー。
「なんだ佐川」
「だから何でもないってば」
bkm