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昔々、この世には恐ろしい魔女がいました。
魔女は自分の私欲のままに大地を焼き尽くし、空を赤く染め、海を干上がらせました。
困った人々は魔女を倒す術など知らず
途方に暮れていました。
その時です。
とある魔術師がある一冊の本を作り上げました。
それは真封の書と言ってあらゆる情報や魔術、歴史を閉じこめる本でした。
元来その本は来世に沢山のことを伝えられるようにと作られたものなのですが
ノグ国の女王はいち早くその本に目をつけ、魔女も一緒に本に封印するようにと命じました。
倒せないのなら封じてしまえばいい。
そう思ったのです。
魔術史の教科書、36項より抜粋。
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