意識のしすぎ [ 24/38 ]
息抜きに書きすぎて支離滅裂。リベンジしたいです。「お前がいると落ち着かねー。集中できなくなる」
「なによ!楓のバカ!バカエデ!」
3日前の日曜日、幼馴染に突き放された。試合に来るな、と。カッとして口喧嘩。どうしようもないくらい怒鳴り散らして、楓も怒って帰っちゃうし、どうしたらいいかもわからなくなって、試合は見に行きたいのに、目に入っただけで集中切れるとか、ほんとふざけるのもいい加減にしてほしい。それでも、邪魔なんかしたくなくて。
「LOVE!ル・カ・ワ!」
「ちょっと、アナタ!声出てないんじゃない!?」
「は、ハイ…える、おー、ぶい、いー……」
なんて、寒い格好でポンポン持たされてこっぱずかしい応援。2週間ぶりの練習試合に親衛隊に紛れ込んで応援なんて、はっきり言って、テンションと勢いに任せた結果だった。かと言って、開き直って堂々と観戦して楓に集中力ブツブツのプレーをされても困るし、こっそり見に来ても大声で応援できないし、親衛隊の格好をしていたら声も出せるし隠れられるしいいかなあと考えた結果だと言えば、勢いに任せたとは言えるまい――嘘、嘘。ただの自己防衛なんだけれど。
「ちょっと!アイツ流川くん押したんじゃない!?」
「ふざけないでー!流川くんが怪我しちゃう!」
「あんなの体当たりよ!退場!退場よ!」
もちろん、楓のディフェンスファウルなんだけど。どこからどう見ても、今のは楓が悪い。何も知らずにキャンキャン吠える本物の親衛隊にため息をつく。楓に一括してやりたい。けど、我慢。我慢。そう、我慢のためにぎゅっと瞑っていた目を開くと、目があったのは、切れ長の、まつ毛の長い、アイツの眼だった。
「てめぇ、ふざけてんのかおちょくってんのか、大概にしろ」
「違う!応援しに来ただけ!親衛隊に紛れてたらばれないと思ったの!」
試合は惜敗。楓が試合終盤にイージーなミスさえしなければ勝てた試合だった。着替える間もなく楓に呼び止められ、今に至る。
「俺は見に来るなっつったんだ。下手なプレー見せたくねーんだよ」
「なによ!そんなの楓が弱っちいだけじゃない!バスケに集中すればいいじゃん!わたしだってバスケ見たいもん!楓のプレー見てたいもん!」
「弱くねー。ヘンな格好のお前に言われんの腹立つ」
「何回だって言ってやる!へたくそ!へたくそ!なんでわたしのせいなんだよー!」
頭に血が上って、ゲシゲシと楓の脚を蹴ってたら、上からふわりと何かが降ってきた。急に、あったかい。
「とりあえず、ジャージ着ろ。そんな変な格好じゃ怖くもなんともねーよ」
「わたしは怒ってんの!……ちょっと!なんで笑ってんのさ!」
「お前、今どんな格好してると思ってんだ。気持ちわりー。そりゃ笑うっつーの」
今度こそ、顔を真っ赤にしてバカ、と怒鳴った。ツボにはまったのか、にやにや笑いをやめない楓。腹が立つ、ほんと、腹が立つ!!
「次だって見に来てやるんだから!せいぜい恥をかいたらいいよ!!」
「ふざけんな。もうそんなヘマはしねー」
「さあどうだか。笑ってやるわよ」
「頼むから、そんな笑える格好で来るのはヤメロ。ほんと気持ちわりー」
「う、うるさい!」
で、それ以降「お前の前でヘマするのは癪だから、良い格好見せる。悔しがれ」なんてのが楓の口癖になって、今まで以上に癇に障る野郎になってしまったのは、いいのか、わるいのか。桜木軍団と一緒になって、目立ちに目立った応援をしながら考えている。