気付いた才能





そういえば…


今日は随分と霧が晴れてる


いつもなら周りの視界が曇ってて―





あれ


そういえば


松岡さんに会うとき


何でトントンって叩くんだろう


戸田さんはどうして上から見るんだろう…


………


ガシガシ (←頭を掻く音)


*****


「あれは!?」


夜空を舞う1匹の鳥が、仰向けで考え込んでいた高山のお腹の上に着地した


「むぐ!!」
「ラッコの高山殿ではないか」
「あれ?アホウドリの黒鴉さん、お久しぶりです!」
「こんなところで何を?」
「考え事をしてました、でも分からなくて」
「私でよければお手伝いしますよ」
「わぁvありがとうございます♪これどうぞv」
「いえ、お礼を最初に頂くわけにはいきません」
「はっ!さすが礼儀正しい黒鴉さんv」


そういって高山はさっきまで考えていた内容を全て黒鴉に話し出した
しかし、何故か話の筋がずれ―


「ラッコ以外のお仲間ですか?さずが高山殿、交流が広いお方だ」
「えっ!そうですか?」
「そうですよ 私は修行の地を求めていくつもの場所を転々としてきましたが―」


大体は同じ仲間で群れを作って生きていくものです
この弱肉強食の世界で他の生物と交流するなんて、私は聞いたことがありません
しかし、高山殿はそれを自然としてきた
素晴らしいことを成し遂げた第一人者ですよ!


「第一人者?」
「そう、誉です」
「 ////」


博識な黒鴉さんにそう言われたら…
なんだか、トントンって音がするのも凄い発見のような気がしてきた!
そうか…!
僕は第一人者なんだ!
解決です!


「ありがとうございます!やっとわかりました!」
「それはよかった」
「あの、これお礼の昆布ですv」
「高山殿」
「はい?」
「もしよかったら、今度は私の悩みを聞いていただけますか?」
「ええっ!黒鴉さんに悩みがあったんですか!?」
「はい でも、悩みというか手伝ってほしいのです」
「?」


黒鴉はそういうと、長い羽を広げ


「あそこに連れて行ってほしいのです」
「堤防ですか?」
「はい お願いします」
「いいですよ〜」


そういって、高山は黒鴉を腹に載せたまま得意の背泳ぎで目的の場所まで運んであげた
黒鴉がモサモサの足場から、高い足場へと移る


「私は長い助走がないと飛び立つことが出来ないのです」
「鳥さんは大変ですね」
「ええ ではまた、お元気で!」
「はい」


お礼を言った黒鴉は長い翼を広げ助走をつけると、星が輝く夜空へと飛び立っていった
その姿が見えなくなるまで、高山は昆布を握った手をブンブン振っていた


「!!!」


その昆布は少し長くて、立ち泳ぎをしていた高山の身体に見事に巻きついた






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