鈍さは動きだけではない





2匹を背中に乗せた戸田くんは いつものようにスイスイ進んでいきます
最初はゆっくり―そして徐々にスピードが増しています!


松「高山くん 大丈夫?」
高「はい!とっても気持ちいいですv」
戸「もっといくよーー!」


戸田くんは加速したスピードのまま コーナーを壁スレスレで曲がりました!
水槽のガラスには豪快な水しぶきの跡が付いてます!


戸「よっと!」
高「うわぁあああぁあ!!!」
松「大丈夫だよ 僕が後にいるから」
高「ひぃいぃいい!!!速いっっ」


もう このスリルが堪りません!
勢いが付いてきた戸田くん いよいよ特技を披露し始めるようです!


戸「それじゃいくよ!たっぷり息吸って!!」
松「すぅうううう…んっ」
高「すぅーー…むっ」


戸田くんは水中深く潜ると 底をグルリと1周
そして
そこから水面に向かって一気に加速しました!


ズズズズズウウウウウウーーーーー!!


ザパーーーーーーン!!!!


これまた豪快なジャンプ!
ショーをする水槽より若干狭いこの場所でも 充分な高さを保っています!
さすがは水族館の人気者!
手を抜かず全力を振り絞ってくれていますv
背ビレをしっかり掴んでいる高山くんも大喜びのはず―


松「凄いね!ね!高山くん!」
高「・・・」
松「?」


*


僕 さっき空中を飛んだんです!


凄かった…!


本当に凄かったんです


・・・


でも…


1番高い所から見えた景色に違和感を感じたんです


一瞬ですけど…


あちこちに堤防みたいな柵があったんです


あと 山の斜面のようなものも…


僕は…一体


何処まで来てしまったのでしょうか


*


戸「ちょっと音が大きかったかもしれないな…」
松「そうだね 念のため自分の場所へ戻るとするよ」
戸「一度くらいは明るい時にジャンプさせたいな!人間だけじゃなくて君達も!」
松「うん ありがとう!戸田くん」


松「それじゃ 戻ろうか!高山くん」
高「あ…はい!」
戸「どうしたのさ?」
高「いえ… とっても楽しかったです!」


小さなライトの光が暗闇に見えました


松「やばいっきたみたいだ」
戸「早く戻って ほら高山くんも!」
高「おっおやすみなさい!」


すぃーーー


松「急いで戻ろう」
高「はい」


*


・・・


駄目だ…


さっきの様子がやっぱり気になっちゃうよ


……あれ?


*


高「ま…つおかさん?」


松岡さんがいつの間にか僕の前に居ません…
やばいです!はぐれてしまいました!


高「どうしよう…」


目の前は松岡さんに注意を受けた分岐点


高「たしか…左でしたよね」


すぃーーー


……プカリ


高「はぁ 明日ちゃんとお礼言わなきゃ」


……((((((


高「ん〜いい磯の香りv」






[*前] | [次#]
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -