※妖怪横丁



猫が多い路地裏を進むと異世界・妖怪横丁へ繋がる道がある

「確かここを曲がって」

横丁への入口は1度高山と一緒に来たことがあるが、慣れるまで案内人がいないと迷子になりそうなくらい複雑な場所にある
そのため人間の侵入は稀

「ここで待ってるか」

しばらくすると聴き慣れた下駄の音が遠くから聞こえてきた

「あ、場所あってた。高山さ〜ん」
「沢城く〜んお待たせ!さぁ、行こう」

今日は、高山が妖怪横丁を案内する日
お互いの世界を知り合うのも楽しみのひとつ

「ここが妖怪横丁だよ」
「僕の森と違って賑やかな場所…」

つるべ火が灯籠に
1番奥に見えるのが、あの銭湯だな
妖怪達が長屋に住んでいたりお店を構えている
通貨は人間界と同じか
へぇ〜面白い

妖怪長屋の前にて

「やぁみんな!」
「どうした鬼太郎?ん、その子も鬼太郎か?」
「うん!沢城くんって言うんだ。みんなよろしくね」
「みなさん、よろしくお願いします」
「カッコいい声〜惚れちゃいそう」
「えっ!?」
「鬼太郎より背がちょっと高いし、細マッチョでイケメン〜」
「なっ!?」
「すらっとしてる手だよ〜握手なんてされたら魅了されちゃいそうだよ〜」
「!!!!!」

みんな僕の沢城くんに触りすぎ!!

「行こう!沢城くん」
「あ…みなさんまた後で」
「待ってよぉ鬼太郎!もっと沢城くんの話聞かせてくれよ〜」

高山は沢城を強引に引っ張り小走りでその場を去った

ゲゲゲハウスに続く林道にて

「はぁ…」
「みんないい人達でしたね」
「みんないい人だよ、でも僕の沢城くんなのに…沢城くんも少しは抵抗してよ」
「え?わっ//////」

高山は沢城を抱きしめ、少しねっとりとした長いキスをひとつ

「高山さん、もしかして嫉妬ですか?」
「///…」

図星のようです

「高山さんが嫉妬してくれるなんて嬉しいです」
「え…いや…だって///」

高山は少し照れながら沢城の手を引いてゲゲゲハウスへと向かった

「ここが高山さんの家なんですね」
「沢城くんの家に比べたら僕の家は本当殺風景だよね」
「…あれは自転車?」
「あっやばい!しまい忘れた!」
「高山さん自転車乗るんですか?」
「父さんが買ってくれたんだけど…まだ1人で乗れなくて」
「…買ってから10年以上経ってますよね?」
「それは言わないで…」
「練習ならいつでも付き合います」
「はは…ありがとう。さぁ、家にあがって」

鬼太郎の家は基本的な構造と品揃えはほとんど同じ
ちょっと違和感を感じるとしたら、黒電話があったり、海苔の佃煮があったり、素麺が箱であったり…その辺りである
お茶と茶菓子でしばらく談話していたら、外から高山を呼ぶ声がした

「おーい鬼太郎しゃーん」
「なんだ?一反木綿」
「実はね、ゴニョゴニョ…」
「わかった。ありがとう」
「そしたら時間になったらくるばいね〜」
「何か用事でも?」
「夕方になったらわかるよ」

約束の時間になるまで、たわいもない談話は続いた

夕方、約束の時間に約束の広場に来た

「みんなで沢城くんを歓迎したいんだってさ」
「えぇ!そんな」

横丁のみんなが総出で沢城の歓迎会を開いてくれた

「ではみなさん、沢城くんに乾杯〜」

町内会長油すましの掛け声で宴会が開始
あちこちで宴会芸が始まり、笑い声が絶えない

「みんな仲良しなんですね」
「横丁に住んでる妖怪達は大家族みたいなものだからね」
「ほい鬼太郎や、こっちの鬼太郎にもじゃ」
「おじじ、沢城くんにそんなに飲ませないでよ」
「大丈夫です、いただきます」
「はっ!じゃ僕も!」
「2人共飲める口じゃの!ほれほれ〜」

酒じじいの口車についのってしまった高山は案の定

「鬼太郎〜顔が真っ赤だぞぅ」
「楽しんでおるんじゃ、ほれほれ」
「…高山さんお酒強いんでしたっけ?」
「…ひっく…あー目がまわる…」

沢城の肩に高山の頭がコツンとぶつかった

「高山さん大丈夫ですか?」
「頭がクラクラする…」
「こら!子泣き!鬼太郎に飲ませすぎじゃ!」
「お祝いじゃから少しくらいいいじゃろう?」
「一升瓶空になってるぞ…」
「カワウソや、そんな事言わなくていいんじゃ;;;」
「こーなーきー!!!」
「僕、高山さんを連れて行きますね」
「すまんのう、まだ宴会はやっとるからよかったら戻っておいで」

流石にみんなの視線があるため、おんぶではなく肩を支えて家まで帰ってきた

「はぁ…ふぅー…ひっく…」
「お水飲めます?」
「…ゴクリ…ふぅ…ありがとう」

お酒の影響で体温が高く吐息が荒い
目が虚で顔は紅潮してる
見てる僕が興奮しちゃう

「ふぅ〜なんだか暑い」
「服…脱ぎます?」
「そうしようかな、あれれ、紐がうまくとれない」
「こうですよ、はいどうぞ」
「あはは、ありがとう」

//////可愛いすぎる
今すぐにでも襲いたい

「沢城くんも脱ごうよ、裸になると気持ちいいよ?」
「///」

もうダメ

「うわっ!んんっ////ぷはぁ…」
「高山さん誘いすぎ…」
「えぇ?にゃに…はぁん////…くすぐったい」

首筋を甘噛みし、そのまま指先まで丁寧に舐めた後、その手を自分の胸へ押し当てた

「高山さん…僕の昂りわかります?もう待てません」
「はにゃ?」

しかし高山は沢城の告白を満面の笑みでスルーする

「沢城くんだーい好き!好き〜」
「…ぁあ…これはダメだ」

酔った高山はゆるゲ◯よりゆるかった

グゥー

そして聞こえてきた寝息が本日終了の合図となってしまった
頑張れ沢城くん!




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