※受身からの自立


地獄へ行って200年経ちました
・・・ええと、妖怪横町の時間の流れに言いかえると丸2年経ちました

僕が聞かなかったのも悪いのですが、何も教えてくれない父さんも悪いんじゃないかと…;;
まず、この200年というのは地獄での時間の流れのことで、人間界、妖怪の住むこの横町とも全く異なるある意味異空間である地獄の時間の流れは特殊過ぎました
「久しぶりのこの空気。ん〜懐かしいの。わしらの家は無事に残ってるのかのう〜」
「家は大丈夫ですよ。それよりも、家の中でいままでどおり暮らせるかが心配です・・・;;」
「な〜に、きっと大丈夫じゃよ」
「そうだといいんですけど…;;」
地獄にいる間、地獄歴に従った僕の身体は150年を過ぎたあたりから人間のように成長し始めて・・・;;
背がこんなにも伸びるなんて、父さんは教えてくれなかったから着る服がなくて…;;
仕方なく身に纏っていたいた服で作り直して、霊毛のベストは編み直して上着に、上下の学生服を繋ぎ合せて長ズボンに、下駄は・・・どうしようもなかったから地獄の木で造り直しました
目線の高さがこんなにも違うと住み慣れた景色が全く違う場所にようにみえるんですね

カラスの森を抜けると、懐かしい横丁が見えてきた
夕暮れ時、灯篭の灯が暖かく迎えてくる
父さんは、友達に会ってくるといったので、僕は真っ直ぐ家へ向かった
「あ…」
僕の・・・いや、僕たちの家に灯りがついてる
早足だったことと歩幅が変わったとこで家にはすぐ着いてしまった
室内には全てを託した存在が身体を丸くして眠っていた
僕は、幾つもの罪を抱えたまま、あの時と同じ手で君に触れるよ?
「…ネコ娘…ネコ娘?」
「…鬼…太郎…?ちょっわっ!!」
僕はネコ娘の背後からぎゅーっと抱きしめ、そのまま顔を覗こうとしたら
「フフ…アハハw」
「どっどうしたんだい?僕の顔に何かついてた??」
「だって・・・おじいちゃんみたいな髪の色なんだものw」
「え?髪の色?あ、武頼針を酷使しすぎたせいかな…;;」
僕の髪は、茶色から銀色に変化していたらしいです
父さんは本当に何も教えてくれないんですね…;;
でも、いまはそんなの関係ないんだ
今度は、前から弾力のある彼女の胸に思いっきり抱きついた
「ただいまネコ娘…いい匂い。ネコ娘の匂いだ…」
「…ゃん・・・///」
「・・・///・・・」
あ、ネコ娘の両脚がクネクネと動いて、顔が赤くなっている
これって・・・
「今も…続いているの?」
「そうよ。だって適齢期だから…」
「その…求めちゃっても…いい?」
「そんな許可、2年前にとってるじゃない」
「そうだったね。じゃ・・・遠慮なく―」
絡めた指先を何度も何度も握り締め、目の前の存在を確認する
心が伝わってもいい
見詰め合って、瞳を閉じて
「    」
と、大切に呟いた


僕も言われるがままじゃなくて、自分で考えていかないと
だって、これからは僕が教える立場になるだろうから
そう強く思うようになったのは、地獄(地獄歴)で200年、いろんなことをこの目でみてきた経験からかもしれません

もう少しで肌寒い季節がまたやってきます
でも、今年はいつもより暖かく過ごす事が出来そうです


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