【繋ぎ目】ウエンツ鬼太郎+猫娘




「鬼太郎?何してるの?裁縫?」
「ん?うん 最近服がきつくてね」
「また…背伸びたんじゃない?」
「そうかも…しれないな」

鬼太郎は上着の袖に同じ素材の生地を糸で継ぎ足していく
随分と慣れた手付き
数分で両袖が完成しサイズの少し増した上着を羽織る

「よしっと」
「なんかいいよね!その…繋ぎ目」
「そう?」
「お洒落じゃない?あっでも 結構適当なのね」

遠くからではあまり目立っていなかったが 布同士の繋ぎ目は斜めになっていたり いきなり返し縫になっていたりしていた

「しょうがないだろ?誰かに教わったわけじゃないし…」
「教え…る?」
「何を?」
「だ・か・ら!縫い方!」
「いいよ 今までだってなんとかなってきたし」
「そっそう ならいいんだけど…」

「帰ったぞ〜」
「父さん お帰りなさい」
「お父さん お邪魔してます」
「おお 猫娘来ておったか んん?」

テーブルに出しっぱなしにしていた裁縫道具に気が付いたようだ

「鬼太郎またか?どれどれわしにも見せてくれんか」
「いいですよ」

さっき羽織ったばかりの上着を父に渡す…というかその上に父を乗せてテーブルに置いた
きっと息子の成長が気になるのだろう と鬼太郎は勝手に想像する

「父さんも戻ってきたことだし 横になりますね」

緊張感のない彼の行動
来客の猫娘といえど もう慣れたものになっていた
すぐ聞こえてきた寝息を聞き取ると目玉おやじは話し出した

「猫娘 また頼んでもよいかのう?」
「ok!そのために来たもんだから…あたし」

猫娘は持ち主が縫った後を綺麗に縫い直すと裸のままの上半身にそっと掛けた

「なかなか気付かないんだから」
「それが鬼太郎なんじゃよ」

鬼太郎は寒さを感じたのか無意識に上着を抱きしめる
と同時に猫娘の顔に微笑みが浮かんだ



やっぱり
気付かなくても…いいかな





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