【黄と紅】高山+ネコ娘
人間界のとある場所には銀杏の木々が立ち並び、地に金色の絨毯を敷詰めていた
青空に映えるその色合いは季節の移り変わりを彷彿させ、訪れる人々の心を魅了してやまない
日差しが弱まり始めた頃、カサカサ…と音を立て、この公園に2人の妖怪が姿を現した
池の周りに設置された2人掛け木製ベンチに腰かけると、水面に映り込んだ色を堪能し始めた
「公園の木は、すっかり秋の色になっちゃったね」
「ここ最近寒かったからね。っくしゅんっ」
「大丈夫かい?ネコ娘」
「ううん。大丈夫。きっと花粉だから。そろそろダウンの時期かな〜さすがにトレンチではちょっと肌寒いわよね」
「…よくわからないけど、女の人は大変なんだね…;;」
「・・・念のため言っとくけど、鬼太郎の恰好が季節に似合わな過ぎるんだからね?」
「はいはい」
ピュー
パラパラ…
秋風に吹かれ舞い降りた落ち葉を拾うと、ネコ娘はこんなことを言い出した
「他の葉は紅くなるのに、イチョウだけは黄色なのよね」
「それは大げさだよ。他にも黄色の葉はあるさ」
「そう?でもやっぱり秋といったら紅色の葉よね!」
「そんなこといったら、ネコ娘はいつも“秋”だね」
「どうゆうことよ?食欲の秋っていいたいの!?」
「いや、そうじゃなくて…この“葉”はこうやったら紅くなるから―」
「え?なになにっ…やっ///」
秋風に熱を奪われたその頬にそっと温もりを与える高山
「…き…鬼太郎…///」
「ほら、紅くなった」
「・・・もう…//」
秋空の中、銀杏並木の中の紅葉が見頃を迎えていた
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